研究課題/領域番号 |
22K00615
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
和田 尚明 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40282264)
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研究分担者 |
渡邊 淳也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 時制 / アスペクト / モダリティ / 語り |
研究実績の概要 |
和田は、「語りのテキスト」に生じる日英仏独蘭語の未来形ならびにその関連領域の比較研究に力を注ぎ、英蘭語のGO-未来の比較研究、未来時指示の日英語の開放条件文における時制・アスペクト・モダリティ・心的態度に関する比較研究を行った。また、日英語の話法と時制・アスペクト・モダリティ・心的態度に関する比較研究も行った。渡邊は、「語りのテキスト」におけるロマンス諸語の未来形ならびに条件法の比較研究を中心課題に据え、フランス語とコルシカ語の未来形・条件法の比較研究のほか、フランス語の接続法とポリフォニーの問題も扱った。 本年度の研究会は、原則、筑波大学・東京大学にて対面開催(一部オンライン)となり、その活動記録は以下のとおりである。第1回研究会(和田尚明):「Be Going ToとGaan:英蘭語のGO-未来の対照研究」(2022年5月2日) 第2回研究会(宮腰駿):「フランス語の-ment型文副詞について」(2022年5月7日) 第3回研究会(森一平):「語調緩和の半過去形と条件法現在形」(2022年7月8日) 第4回研究会(地野みれい):「アッカド語におけるいわゆる「来辞(ventive)」の用法に関する意味・語用論的考察」(2022年9月28日) 第5回研究会(田村心)「日英語の命令文に関する機能的分析―命令文による間接的な伝達内容に着目してー」・(渡邊淳也):「フランス語とコルシカ語における条件法の対照研究」(2023年3月6日) 口頭発表については、和田が日英語の開放条件文における時制・アスペクト・モダリティについて、International Conference on Tense and Aspect in Conditionals(パリ)にて単独発表を行い、渡邊がフランス語とコルシカ語の未来諸時制について、日本ロマンス語学会大会(オンライン)にて単独発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、和田が包括的時制解釈モデルを用いて、「語り」における日英独仏蘭語の時制・ アスペクト・モダリティ現象の比較研究を、渡邊が「語り」における日仏伊西葡科語の時制・ アスペクト・モダリティ現象の比較研究をする予定であった。コロナの影響で一部オンラインでの開催となった回もあったが、原則対面で開催し、TAME研究会メンバーやテーマが近い大学院生を交えて密な意見交換を行なえた。個々の研究自体は、「研究実績の概要」で示したように、それなりの発展がみられたので、おおむね順調に進んだといえる。
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今後の研究の推進方策 |
国内外の学会でも現地での対面開催が徐々に再開され始めてきており、それに向けた準備を行う予定である。とりわけ、和田は、既に発表が決まっている第18回国際語用論学会(2023年7月、ベルギー・ブリュッセル)と第16回国際認知言語学会(2023年8月、ドイツ・デュッセルドルフ)での口頭発表に向けて準備を進めていく。 また、和田・渡邊ともに、欧文での論文執筆を含めた学術誌への投稿や論文集への掲載に向けて、積極的に準備していく予定である。 加えて、例年通り、テーマが近い研究者や大学院生も含めた定期研究会を行っていく予定である。
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