研究課題/領域番号 |
22K00640
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
永井 涼子 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (10598759)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 定型性 / 談話分析 / 外国人就労者 / 外国人技能実習生 |
研究実績の概要 |
本研究では職場談話を対象に、その特徴について定型性という観点から分析・考察を行うものである。職場としては調査のしやすさ、近隣地域で働く外国人の数等を勘案して商業および農業分野を対象とする予定である。そして分析の結果、談話において話者に共通する特徴:当該談話の定型性を明らかにし、談話の定型性、日本語教育への援用可能性について考察を行うことを目指すものである。 本年度は、実際の録音調査を行うための下準備を行った。まず、一定数の外国人就労者にアクセスできるという利便性、国内における外国人就労者の中の多数を占めるという人数の関係から、外国人就労者の中でも外国人技能実習生をターゲットの中心とし、活動を行った。 まず、県内における外国人技能実習生の監理団体にコンタクトを取り、様子を聞いたり、研究についての話をし、調査協力依頼のための関係づくりを行った。また、実際の外国人就労者の日本語力や彼らが職場で困難を感じている日本語コミュニケーションについて調査すべく、外国人技能実習生を対象とした無料の日本語クラスをオンラインで毎週末(土曜日と日曜日の夜)実施し、日本語を教える中で彼らとコミュニケーションをとり、聞き取り調査を進めている。またコロナ禍が落ち着いたことから現地への訪問ができるようになったため、そのアポイントメントを取る作業も行い、来年度は実際に現地を訪問する予定である。さらに、本研究の調査を進めるための倫理審査の準備(申請書作成、先方への依頼文書、調査方法、承諾書等の作成)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の前半は、研究代表者が健康上の理由から病気休暇を取得し、療養していたことから、その分の作業の遅れが生じている。また、コロナ禍もあり、直接外国人就労者とコミュニケーションをとることが難しいという状況もあった。しかし、調査のための下準備やニーズ調査等は着実に進められており、研究課題自体としては前進が見られるため、「やや」遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は今年度の下準備をもとに本課題の倫理審査を通過し、録音調査依頼を行い、実際の録音調査に入る予定である。コロナ禍が落ち着いたことから、録音調査とともに受け入れ先(ともに働いている職場の日本人)および外国人就労者本人への聞き取り調査も実施していく予定である。収録とともに文字起こし作業も同時進行で進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究代表者の健康上の理由(病気休暇を取得し療養していた)およびコロナ禍により、外国人就労者の働く受け入れ先を訪問し、調査依頼をしたり、実際に調査をしたりするための予算をほとんど使えなかった。しかし、研究代表者も回復し、コロナ禍も落ち着いてきたことから、来年度、その分の調査依頼、調査実施を行うため、今年度使用できなかった分の予算を使用する予定である。
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