研究課題/領域番号 |
22K00669
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
奥野 由紀子 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (80361880)
|
研究分担者 |
渡部 倫子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30379870)
佐藤 礼子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (30432298)
元田 静 東海大学, 語学教育センター, 教授 (40349428)
小林 明子 島根県立大学, 国際関係学部, 准教授 (40548195)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | PEACEプログラム / ことばの教育と平和 / CLIL / スキャフォールディング / 教師研修 / カリキュラムデザイン / 全人的教育 / デンマーク |
研究実績の概要 |
2023年度は日本語教育における平和な社会の実現を目指した CLIL 実践と、その効 果の検証及び、現場支援に向けた教材開発や整備を進めた。特に「PEACE」プログラムの中の「Education」と「Environment」をテーマとしたカリキュラムのデザインと実践を行いながらデータ収集を行った。「Education」のテーマにおいては、教材開発に向け、移民や難民の経験を持つ方々、移民や難民支援を教育の観点から行っている方々にインタビューを行い、それをもとにプロのライターに文章執筆を依頼し、教材に合わせて適宜改訂を行った。また、それをもとに実践を行い、教材としての検討を重ねた。 また、「Environment」をテーマとしたカリキュラムのデザインと実践を行い、授業実 施者、観察者による複数の観点から行い、授業観察や録画データをもとに、教師の 指導の介入等(スキャフォールディングやフィードバック)の分析を行った。その結果を国際学会で発表する準備を行った。研究の進捗の共有と分析手法について分担者たちと学ぶ機会を設けた。さらに、研究代表者はデンマークのホイスコーレにて、英語やデンマーク語で「非暴力による平和構築」、「ジェンダー学」、「音楽」、「経済学」などをテーマに学び、全人的教育、協学を第二言語を通して体感する経験を積んだ。また、上記の成果を代表者、分担者が主催するJ-CLIL日本語教育部会の勉強会にて発表し、複数の国内外の教育機関にて講演や教師研修を行った。また、『ことばの教育と平和』はじめ、関連著書や論文(「貧困問題をテーマとしたアタマ×ココロ×カラダによる内容言語統合型学習(CLIL)実践-履修者の振り返りの分析から-」など)を執筆、出版を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナが落ち着き、海外発表や2024年に想定していた他言語でのCLIL体験を前倒しで行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
教育実践と教育研究を継続しながら、教育実践と研究成果を国内外の学会で発信し、他機関においてもCLIL実践しやすいよう教材を開発していく。特にEducationをテーマにした巻については2024年度に公開・出版を目指したい。また国内外にて教師研修やワークショップ等を行い、それぞれの教育機関に合ったCLILの取り入れ方等の提案を行っていく。さらにCLIL 実践の中でつながった社会起業家、支援団体、教育者、学習者たちと協力しながら、ことばの教育と平和構築の実践とその内容の拡充を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
サバティカルの取得が2023年度となり、コロナも収束したことから、2024年度に計画していた他言語でのCLIL体験を2023年度に行ったため次年度使用額が生じた。次年度はこの経験を実践や教材開発に生かしていく。
|