研究課題/領域番号 |
22K00675
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 志都 東海大学, 文学部, 教授 (30336424)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 異文化感受性 / 異文化コミュニケーション / DMIS / 異文化間教育 / 外国籍メンバー / 外国人人材 |
研究実績の概要 |
本研究は外国籍メンバーと協働する日本側メンバーの異文化感受性、および、その発達過程を明らかにして、発達に応じた学習を具体的に提案することを目的に行っている。異文化感受性発達モデルの理論的精緻化にも貢献するものである。 2022年度は本研究の理論的枠組みの基盤を構築した。公表した成果のうち「異文化感受性発達尺度の開発:日本的観点の導入と理論的整合性の向上」(多文化関係学19号)では、日本的な観点とDMISの理論を統合した「異文化感受性発達尺度」を発表した(注:本研究におけるデータ収集までの研究資金提供は2021年度に終了した課題番号16K04626による。分析から発表までは本課題番号の研究での資金提供による)。「異文化感受性発達モデルにおける『統合』の考察」(東海大学紀要文学部 113号)では、Bennettの異文化感受性発達モデル(DMIS)での発達の最終局面を表す「統合」の概念的理解を深める考察を行った。 研究発表としては「『あいだを分かち、はざまをつなぐ』知覚構造の 発達:異文化感受性発達モデルの拡張」(異文化コミュニケーション学会第37回年次大会)において、構成主義的な観点から差異性を知覚する構造の発達を考察し、DMISを再解釈して拡張したモデルを発表した。また「知覚対象としての『異』から考える 異文化コミュニケーション:知覚構成主義とカテゴリーの意識的な利用」(多文化関係学会第21回年次大会)では知覚構成主義を教育に導入する具体的な方法について論じた。 このほかに外国人人材と日本の受け入れ企業を支援している会社からの協力を得て、外国人を受け入れる側の人々の異文化感受性の研究を進めた。前年度に行ったアンケート調査の結果の精査と、外国籍メンバーを積極的に活用している経営者への聴き取りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、外国人人材と日本の受け入れ企業を支援している会社からの協力を得て、外国人を受け入れる側の人々の異文化感受性の研究を進めた。また異文化コミュニケーション教育を開発するための研究も行った。文献収集による研究のほかに、前年度に行ったアンケート調査の結果の精査をして尺度化するための準備を進めた。また、外国籍メンバーを積極的に活用している経営者への聴き取りを行った。
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今後の研究の推進方策 |
外国籍メンバーと協働するコンテクストでの日本側メンバーの異文化感受性の発達を描写できるように「異文化感受性発達尺度」の構成概念をさらに発展させ具体化していきたい。新たに作成した尺度を用いたアンケート調査を行うことを計画している。また異文化感受性の発達に応じた教育のあり方についても、具体化するための方法を模索していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅れがあるわけではない。当初購入を計画していた一部の機器は次年度に購入することでも間に合うため、次年度にまわした。
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