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2022 年度 実施状況報告書

性格・情意要因がスピーキング力に与える影響とプロソディ指導の効果について

研究課題

研究課題/領域番号 22K00686
研究機関公立鳥取環境大学

研究代表者

中村 弘子  公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (40570312)

研究分担者 佐伯 林規江  同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (80225747)
野村 和宏  甲南大学, 全学共通教育センター, 教授 (00149618)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード語アクセント / 文アクセント / コミュニケーション不安 / シャイネス / 平均基本周波数 / 心拍数 / 特性不安 / 状況不安
研究実績の概要

初年度は、5月に分担研究者とオンラインミーティングで、データ収集や、音読材料、手順について話し合い、7月から10月にかけて各大学の学生を研究の参加者として発話録音をし、音声分析は研究代表者が主に行った。研究成果は研究発表2件、論文の掲載が2件であった。
まず、学生30名のデータを分析し、第61回JACET国際大会で、コミュニケーション不安がスピーキングスキルに与える影響について発表した。主な結果は、1.日本人大学生のL1コミュニケーション不安は英語でのコミュニケーション不安との関係性があった 2.L1コミュニケーション不安の高い参加者は語アクセントの習熟度が低かった 3.語アクセントの習熟度が高い参加者はスピーキングスコアも高い傾向があった、の3つで、論文はEnglish Language Teaching, 16 (5) に掲載された。
また初年度後半は、質問紙に特性シャイネス尺度を加え、さらに音響分析だけではなく、緊張の生理的指標である心拍数のデータも加え、「特性不安」としての情意要因と、英語教員の前で発話録音をするという「状況不安」の影響について考察した。その結果については「ことばの科学会」の3月例会で発表し、「ことばの科学研究」第24号に論文が掲載された。主な結果は次の通りである。1.シャイネスおよびL1コミュニケーション不安はL2コミュニケーション不安と関係性があった。 2.生理的反応が出やすいとされる男性群では、シャイネスと心拍数との関係性があった。 3.語レベルでは男性、女性ともに情意要因のレベルが高いと緊張を示す平均基本周波数が高くなるという「特性不安」の影響が認められ、文アクセントについては男性群では情意要因の高いグループでは抑揚が小さいという結果が得られたのに対して、女性群では、情意要因のレベルよりも「状況不安」の影響が強いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画は3つの研究課題(1. 日本人英語学習者の性格・情意要因は、発話のプロソディに影響を与えるか。2. 日本人学習者の性格・情意要因はスピーキングの習熟度に影響を与えるか。3. プロソディの指導は英語を話す際のポジティブな感情の増加、不安の低減につながるか。)について予備研究を実施することであったが、研究課題の3については次年度での実施に変更し、研究課題1,2については予備調査を行い、学会発表およびジャーナルでの論文掲載という形で成果を残すことができた。

今後の研究の推進方策

2年目の2023年度は研究課題の1,2について本調査を行い、3については、プロソディの指導の前後で発話の音響的特性の変化について分析するとともに、質的調査を実施し、プロソディ指導の効果についてデータ収集することを計画している。最終年度の2024年度は、本研究の成果について学会発表、論文投稿を予定している。

次年度使用額が生じた理由

分担研究者が購入を予定していた統計ソフトの購入が必要でなくなったため、残金が生じた。残金は国際学会に参加する際の旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Effects of L1 and L2 Communication Apprehension on Speaking Skills of Japanese University Students2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Nakamura & Bettina Begole
    • 雑誌名

      English Language Teaching

      巻: 16 ページ: 1-9

    • DOI

      10.5539/elt.v16n5p1

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] L1およびL2における情意要因が英語朗読時の心拍数や韻律的特徴に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      中村 弘子・佐伯 林規江・野村和宏
    • 雑誌名

      ことばの科学研究

      巻: 24 ページ: 35-76

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 性格的特性および情意要因が日本人大学生のスピーキング・スキルに及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      中村 弘子
    • 雑誌名

      ことばの科学研究

      巻: 23 ページ: 23-41

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日本人大学生の性格・情意要因が英語発話時の心拍数およびプロソディに与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      中村 弘子・佐伯 林規江・野村 和宏
    • 学会等名
      ことばの科学会3月度研究例会
  • [学会発表] An acoustic study on the effects of personality traits and affective factors on speaking skills of Japanese university students2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Nakamura
    • 学会等名
      The 61st JACET Internatinal Convention (online)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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