研究課題/領域番号 |
22K00693
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
森泉 哲 南山大学, 国際教養学部, 教授 (60310588)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 集団間関係 / 多文化主義 / 集団間イデオロギー / グローバル・シティズンシップ |
研究実績の概要 |
本研究課題は、グローバル・シティズンシップを促進する規定因の検討と共に、ケーススタディとしての(オンライン)英語教育産業に着目し、グローバル・シティズンシップの視点から分析を行うものである。研究2年目にあたる令和5(2023)年度では、グローバル・シティズンシップの規定因に関して計量的テキスト分析及び海外共同研究を実施し、その成果を国際学会で発表した。具体的には、向社会的行動とグローバル・シティズンを表す用語(「地球市民」「全人類」「世界中の人々」)の違いを明らかにした。その結果、「地球市民」としてのアイデンティティと向社会的行動には正の相関があることが明らかとなった。 第2に、集団間イデオロギーについては文献研究を進めるとともに、海外共同研究のためのネットワーク構築を行い、令和6(2024)年度以降の国際比較調査実施に向け準備した。これまで、「同化」「カラーブラインドネス」「多文化主義」の3タイプがあるとされていた集団間イデオロギーに、近年「ポリカルチュラリズム」が加わっていることが文献研究から判明したので、令和6年(2024)度以降、本概念も含めた検討を行う。 最後に、ケーススタディとしての英語教育産業研究との関連においては、これまでの研究結果を基に論文化した。具体的には、異文化アイデンティティ理論の視点から、フィリピン人英語講師のアイデンティティのダイアレクティックス、インターセクショナリティ、経済・文化の社会構造の影響について論じた論文を執筆し、研究成果を公表する準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、令和4(2022)年度に実施した国際比較調査の分析を進めた。その結果については国際学会で発表した。また集団間イデオロギーについて文献研究を進めた。その結果ポリカルチュラリズムという概念が近年注目されていることが判明し、調査実施に向けて更に検討を加える必要が生じたため、調査は令和6(2024)年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
海外学会での発表を行ったほか、国際学会のセミナーに参加し、集団間イデオロギーの最新の研究動向を把握することができ、更に国際共同研究のネットワークを構築することができた。その成果を生かして、来年度は質問紙調査を実施する予定である。日本社会の分析を行うとともに、国際比較研究を推進する。国際共同研究では、海外共同研究者と定期的にオンラインで連絡を取り合い、共通の目標設定、役割分担、期日の設定などを明確化する。また自身の研究での疑問や課題が生じた際には共同研究者と意見交換を行うことにより、円滑な進捗になるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた調査が今年度内に実施できず令和6(2024)年度にずれ込んだため、次年度使用額が生じている。しかし、来年度前期には大規模な質問紙調査実施、後期には追加調査の実施を計画しており、今年度に生じた使用額は来年度に執行予定である。
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