研究課題/領域番号 |
22K00744
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
堤 正典 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (80281450)
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研究分担者 |
小林 潔 神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (20350374)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 日本におけるロシア語教育 / 語彙教育 / 学習語彙項目再検討 / 語の多義性 / 多義ネットワーク分析 / 日ロ語対照 / レアリア学習 / 習得基準 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、初級レベルの学習語彙においてリスト検討と多義語分析を行っている2018-23年度科研課題「ロシア語教育の実用性向上のための学習語彙の総合的研究」(基盤研究(C)(一般) 課題番号18K00799)(以下「前研究」とする)を受け継いで、それを拡充させて、さらに実用的なものとすることを目的とする。学習語彙は初級だけではなく、中級・上級レベルのものも視野に入れ、現代の日本人ロシア語学習者にふさわしい学習語彙リストの検討を進め、また、学習者により理解しやすい形で多義語を提示するための研究を行う。本研究課題では、前研究と同様に、ロシア語の習得基準(学習のロードマップ)、教材のICT(情報通信技術)活用、ロシア語運用に必要なレアリア情報を考慮に入れて進めていく。 2年目となる2023年度は、「ロシア語教材学習語彙データベース」作成を完成させた。これは初年度である22年度から作成を開始していたもので、日本で出版されたロシア語教材11種にあらわれる語彙とロシアで留学生向けに行われている検定試験「ТРКИ」第1レベルまでの学習語彙をデータベース化したものである。これは主として堤正典が主導して作成した。 また、ロシア語運用に必要なレアリア情報の観点などからロシアの国内外におけるロシア語の状況に注目しているが、研究分担者の小林潔はドイツ書籍協会平和賞受賞者であるウクライナ作家ジャダンをとりあげ、ウクライナ側からみたロシア語への態度を考察した。さらに、小林はウズベキスタンに出張し、現地のロシア語状況などの観察をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学習語彙の具体的分析はそれほど進んでいないものの、分析に用いるための学習語彙データベースを完成させたことで、ひとまず順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降、学習語彙データベースの活用などで、23年度に着手した具体的な分析を進めていく。 なお、ロシアが起こした戦争により、ロシアへ渡航しての調査・資料収集が困難であるが、国内の活動によって補っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
22年度から若干の繰り越し額があるが、予定していたロシアへの渡航を見送らざるを得なかったため、国内での出張やウズベキスタンへの出張に振り替えた。しかし、おおむね使用することができた。
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