研究課題/領域番号 |
22K00785
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
菅原 健太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20635833)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ビジョン / 理想自己 / モチベーション / エンゲージメント / パーソナリティ / 第二言語習得 / 日本人英語学習者 |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究の成果は、第二言語(L2)の習得に関わるモチベーションの持続構造の理解に向けて、先行研究のレビューと、データの分析過程及び結果の考察を一部、公表できたことであった。 先行研究のレビューに関して、研究代表者は、英語学習を促進する「ビジョン」と「モチベーションの持続」に関わる理論の抽出を目指した。その結果、「New big five model」(McAdams & Pals, 2006)や「A framework for long-term motivation」 (Dornyei & Henry 2022) の有用性が浮上した。研究代表者は、これらの理論をもとに、日本人英語学習者の持続可能なモチベーションを解釈し、論文としてまとめた。その論文は、『国際地域研究Ⅴ』のブックチャプターとして掲載が確定した。 上記と同時に、研究代表者は(研究協力者とともに)、ビジョンと、New big five modelの要素及び「ロールモデル」の関係性についての実証に努めた。その結果、前者の関係性に関して、量的研究から、実直性や理想自己から英語学習を継続できる力への影響力が確認できた。また、質的研究を通じて課題解決への自信をもたらす経験要因が浮上した。後者の関係性に関しては、量的研究から、日本人英語学習者のロールモデルの特徴と、ロールモデルから英語学習におけるエンゲージメント経験への直接の影響力が確認できた。 以上の研究過程について、研究代表者は(研究協力者とともに)国際会議「The 20th AsiaTEFL, 68th TEFLIN, 5th iNELTAL Hybrid International Conference」で口頭発表した。また、この口頭発表を修正・加筆し、論文としてまとめた原稿は、同国際会議プロシーディングスへの掲載が確定し、公表できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の区分で判断できた理由として、データの分析と論文として記述する活動が、当初の計画で予測したよりも時間を要しているが、初年度において、先行研究のレビューを進める中で、その成果を論文としてまとめた原稿が、ブックチャプターに掲載可能な段階に達したことにある。また、実証研究を進める中で、その過程を国際会議で2点、口頭発表をすることができたことにある。さらに、その発表資料を修正・加筆し、論文としてまとめた原稿2本が、同国際会議プロシーディングスへの掲載に至り、本研究課題に関わる成果の一部を公表できたことにある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題における現在までの進捗状況に関して、初年度においては、おおむね順調に進展していると評価ができるに至ったので、次年度の研究計画についても、当初の計画通りに実施する。具体的には、先行研究のレビューを継続し、研究デザインに沿ってデータの追加収集と分析を進め、そして、結果のまとめと解釈ができた段階で、研究成果を論文として学術雑誌に投稿できるように取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度における研究経過の口頭発表のために参加した国際会議「The 20th AsiaTEFL, 68th TEFLIN, 5th iNELTAL Hybrid International Conference」において、オンライン(リアルタイム)での参加を選択することになったため。また、国際会議プロシーディングスへの投稿原稿において英文校正費を要したものの、ジャーナルへの投稿論文ではなかったので、英文校正費が使用計画よりも費用を要しなかったため。
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