研究課題/領域番号 |
22K00813
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
笠井 千勢 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (90352450)
|
研究分担者 |
小池 耕彦 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (30540611)
小笠原 香苗 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員 (50986990)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 第二言語習得 |
研究実績の概要 |
かなり流暢な日本語を話す外国人が「てにをは」を間違うことがある。同時に、かなり流暢な英語を話す日本人が前置詞「in, on」の使い方を間違えることがある。第二言語習得における、いわゆる「つまずき」である。これらの「つまずき」が排除されない限り、いつまでも 学習者の域を超えることができない。一方母語話者は自然にこれらの助詞や前置詞を使い分けることができる(自動化)。本研究では「つまずき」は第二言語を自動化できない時に起 きる現象と仮定し、①なぜ「つまずく」のかを、脳画像を用いてつまずきの過程を視覚化しそのメカニズムを明らかにした上で、②集中訓練による「つまずき」の克服が可能であるか検証する。そしてこれらの、③言語学と脳科学を融合した研究を言語教育に携わる教員に向 けて発信することを目的とする。 本課題では、日本人英語学習者が習得に最も困難性を示す英語冠詞に焦点を当て調査する。習得が困難な理由の一つに、冠詞の種類が多いことが挙げられる。学校教育を通じ基礎的な知識を学ぶが、文脈を理解し適切な冠詞を瞬時に選択することが難しいと想定される。a, the, 無冠詞を正しく選択できるか検証するために、実験刺激の種類、文脈等の選定を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個人的な理由ではあるが、代表者の体調不良による遅れがある。2023年8月にコロナ感染して以来数ヶ月間後遺症的な症状が続き、当初予定していた計画に遅延が生じてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
上記で示した実験課題を完成させ、信頼性を測る予備実験を行う。オンラインで被験者を集い、より多くの被験者を対象に予備実験を行うことで実験課題の信頼性を高める。また、課題の完成後すぐに着手できるように、同時進行で脳画像撮像の準備を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
成果発表のために国際学会に参加した際に、円安と現地の物価上昇により予定していた経費より多くの支出が生じたため。
|