研究課題/領域番号 |
22K00840
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉永 匡史 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (20705298)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 軍事儀礼 / 古代日本 / 唐王朝 / 兵書 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、「古代日本と中国唐王朝において、軍事儀礼はどのような構造をもち、支配秩序・理念といかなる関係をもったのか」という学術的命題のもと、古代日本と中国の両地域における軍事儀礼の特色を、儀礼構造と支配体制の双方の観点から解明し、両者を比較検討することによって共通性と差異を抽出し、その意義を明らかにすることを目的とする。 当該年度は、古代日本の軍事儀礼について、養老律令などの法制史料、および『内裏式』などの儀式書をもとにして、軍事儀礼の構造解明を進めた。とりわけ射礼を検討の中心に据え、その理念の源流である中国の射礼にまで遡り、受容のあり方について考察を進めた。研究成果は現在成稿中である。 また並行して唐代史研究においては、『大唐開元礼』の「軍礼」記事を検討するとともに、個別の軍事儀礼のすがたを、唐代に著された『太白陰経』や北宋の『武経総要』といった兵書からもうかがうことを試みた。しかし唐代の兵書は内容検討以前の問題として、その書誌学的研究すら充分な蓄積がないため、まず日本国内の兵書の書誌学的・史料学的調査を進めた。これは当該年度で終了する分量ではないため、次年度以降も引き続き遂行する予定である。 また儒学・兵学や律令学といった学術の受容・教授のあり方は、儀礼の構築と密接に関係する。この点から、「日唐における律学博士と明法」(坂上康俊編『古代中世の九州と交流』高志書院、2022年)を執筆・公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究成果は学術論文を成稿中であり、次年度以降に公表予定である。史料調査・史跡調査も継続的に実施しており、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に準拠しつつ、次年度も研究を推進する。日唐の軍事儀礼比較研究については、特に唐王朝の軍事儀礼についての考察に注力し、『大唐開元礼』や唐・宋代の兵書にみえる軍事儀礼・軍事制度記事の検討を進める。また併せて、軍事儀礼の前提となる軍事制度について、唐軍防令の復原研究、および復原根拠史料の史料学的研究を推進する。 前年度に引き続き、日本国内の史料所蔵機関における史料・写本・版本調査、および儀礼空間の復原に関する現地調査を実施する。またコロナ禍の影響に左右されるが、中華人民共和国における史料調査を実施できればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行に必要な図書購入額に満たない少額であるため。
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