研究課題/領域番号 |
22K00859
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 舞 神戸大学, 人文学研究科, 特命講師 (30623813)
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研究分担者 |
室山 京子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 客員研究員 (80794239)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 俳諧 / 地域文化 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、史料の目録作成と、翻刻作業を優先的に行った。①石川家文書のうち、家業に関する史料が収められた箪笥(箪笥E)内の文書について、付番・写真撮影・目録作成を行った。令和4年度の調査で、約600点の史料について付番し、以前からの調査分も含め、全点の付番を終えた。また、史料の撮影を行い、このデータをもとに約200点の目録を作成した。②俳諧関係の書簡を含む資料群(内蔵箱48)の撮影を進め、約50点の撮影を終えた。③石川家日記のうち、最も古い文政9年の日記について、基本的に毎月1回オンラインで研究会を開催し、翻刻を進めた。④①~③の史料および既調査の史料群で確認できる人名を抽出し、関係性を可視化していった。これらの調査・分析により、石川家を取り巻く人的ネットワークや文化的活動の諸相をより具体的に明らかにすることができた。特に書簡類からは、2代当主石川長英が生野地域の文化的活動の中心人物として活動しているほか、周辺地域のみならず広域の文化人とも精力的に交流していることがわかってきた。 これらに加え、⑤石川家と屋形池田家に関する調査のため、屋形区長文書の調査を進めた。すでに目録化されている史料群から関連史料を抽出する作業に加え、未整理資料の目録化を進めた。 以上の史料調査および分析を通して得られた成果については、井上が、生野地域における俳諧文化の広がりとこれに関する石川家の関与について、朝来市健康福祉大学の講座において報告した。また、室山は播磨国屋形池田家と石川家との関係ついて調査分析を進め、その成果を岡山地方史研究会の例会において報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大期に調査を行えない時期があったものの、史料の撮影と目録作成は順調に進んでおり、令和4年度は予定より多くの史料を調査することができた。また、令和4年度に刊行予定であった日記の翻刻については、難読部分が多く、当初予定の令和4年度内に翻刻を完了させることができなかった。しかし、翻刻作業を通して石川家の動向や人的関係の情報など、文書群の分析にも資する成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に引き続き、本年度も石川家日記の翻刻と文書の目録化を進める。行動制限の緩和もあり、現地調査を行いやすくなったこともあり、現地での調査を積極的に行い、目録作成を進めていきたい。内容分析については、特に、文化的ネットワークについて明らかにすべく、2代当主石川長英の役割に注目し、長英宛の書簡や俳諧関係資料の分析を進める。また、屋形区長文書・屋形池田家関係文書の調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大期に調査が実施できなかったこと、また調査補助のための雇用ができなかったことから、旅費及び人件費を予定通り執行できなかった。また、本年度予定していた日記の翻刻が完了しなかったため、印刷・製本費が執行できなかった。 現状、コロナ禍における行動制限がなくなりつつあるため、今年度調査が行えなかった分は次年度に行う。また、日記の翻刻についても早期の完了を目指す。
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