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2022 年度 実施状況報告書

18世紀、清朝によるチベット仏教世界の再編

研究課題

研究課題/領域番号 22K00912
研究機関鳥取大学

研究代表者

柳 静我  鳥取大学, 地域学部, 教授 (50566338)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード清朝 / チベット / ダライ・ラマ / チベット仏教世界 / ジュンガル
研究実績の概要

18世紀におけるモンゴル統合を巡る清朝とジュンガルの対立はチベット仏教世界の最大施主の地位を巡る争いとも絡んで進展していく。清朝のチベットに対する政治的・軍事的介入は最大施主の地位を安定的に確保し、モンゴル統合の優位性を維持するためのものであろう。ところが、従来の研究ではチベット支配を巡る清・ジュンガルの対立構造としてとらえてきた。これに対し、本研究は満州語・チベット語・漢文の史料を用い、18世紀のチベット政策を、対ジュンガル政策を目的とする「チベット仏教世界」の再編の一環として位置づけ、その完成に至る政治過程を明らかにするものである。
初年度である2022年度は関連する史料の収集と整理を行った。2022年10月から約1ヶ月間台湾での档案資料の調査を行った。中央研究院歴史言語研究所所蔵内閣大庫档案から関連する档案の調査を行い、高雄師範大学では台湾での研究論文の検索システムを利用して関連分野の論文をダウンロードした。国内では2回に渡り、京都大学東アジア人文情報学研究センターで『雍正朝起居注冊』『雍正朝上諭档』『乾隆朝上諭档』を閲覧し、関係する内容を調査した。web上では台湾故宮博物院の図書文献数位典藏資料庫から档案史料を集めた。現在、収集した史料と論文の内容を整理し、分析を進めている。
村上正和・相原佳之・李侑儒・豊岡康史との共著で『嘉慶維新研究』及び、「『雷塘庵主弟子記』訳註(1)」を刊行した。おもにチベットに関わる部分を担当し、その執筆への参加によって研究課題である18世紀の清朝のチベット政策を19世紀前半までの連続性を持つ政策的展開として展望していく上で重要な手がかりを獲得することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

海外と国内での史料調査を通じて刊行・未刊行の史料及び先行研究を収集し、整理と分析を行うことはできたが、成果報告が少し遅れている。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通りに研究を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『雷塘庵主弟子記』訳注(1)2023

    • 著者名/発表者名
      村上正和・相原佳之・李侑儒・豊岡康史・柳静我
    • 雑誌名

      環日本海研究年報

      巻: 28 ページ: 80-86

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 嘉慶維新研究2023

    • 著者名/発表者名
      村上正和、相原佳之、豊岡康史、柳静我、李侑儒,
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      9784762967184

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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