弥生・古墳時代の辰砂および朱の四種硫黄同位体分析

2023 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 22K01000
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 斎藤 誠史 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (80637588)
• 研究分担者: 南 武志 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00295784)
• 研究期間 (年度): 2022-04-01 – 2025-03-31
• キーワード: 辰砂 / 朱 / 硫黄同位体比

研究実績の概要

硫化鉱物である辰砂を粉末化した赤色顔料の朱は、弥生時代および古墳時代の墳墓において施朱に用いられた。古代における日本国内外の朱の流通経路を復元するために、古くから採掘が行われていたと推定される日中の主要な産地から採集された辰砂、および日本の墳墓から出土した朱の硫黄同位体分析を行っている。当該年度は、前年度に前処理を完了した辰砂および朱の同位体分析を行った。この結果、弥生時代後期の墳墓から出土した朱の産地を推定する上で重要な予察的知見を得た。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

同位体分析のために必要な分析機器の利用時間は、機器の故障等の諸事情によって大きく左右される。当該年度は上記の理由により十分な利用時間を確保できなかった。

今後の研究の推進方策

引き続き、試料の分析を順次進める。また得られた結果を迅速に学術論文として公表する。

次年度使用額が生じた理由

分析機器の故障等のやむを得ない事情により、十分な機器の利用時間を確保できなかったため。当該年度に予定していた分析は次年度に行う予定である。