• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

古代エジプトのイヌ科・ネコ科動物の骨形態と次世代シーケンサーを用いたゲノム分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K01001
研究機関金沢大学

研究代表者

北川 千織  金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (10844798)

研究分担者 覚張 隆史  金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード古代エジプト / イヌ科 / ネコ科 / 骨形態 / ゲノム
研究実績の概要

本研究は、動物の中でも歴史的に特に古くから人間と親密な関係を築いてきたイヌ科・ネコ科の動物(家畜イヌとその他イヌ科の動物:オオカミ、キツネなど、ネコ科は野生ネコ、家畜ネコ)に焦点を当て、中エジプトの遺跡から出土したそれらの動物遺体、および博物館資料(試料)を用いて、マクロとミクロの調査を行う。これらの動物の分類上の位置付けや病理を探り、そこからヒトと動物の関係史解明に貢献することを目指す。
2022年度はパンデミック後、3年ぶりにフィールドワーク(ゲベル・アシュート遺跡)やサーベイ(ツナ・エル・ゲベル遺跡)を行うことができた。ゲベル・アシュート遺跡では動物遺体のデータ収集を行った。これは来年度以降も継続する。出土したイヌ科の動物骨に関しては研究協力者が幾何学的形態測定を行い、これまで私が行ってきたマクロの骨形態観察と計測と今後合わせて分析できる可能性が広がった。ネコ科の動物骨に関しては、現地で今年度あまり多く調査はできなかった。
ツナ・エル・ゲベル遺跡ではイヌ科・ネコ科の動物遺体の遺跡間比較研究が可能かどうかを調べるために地下動物ネクロポリスでサーベイを行ったが、動物遺体はトリが圧倒的に多く、イヌ科、ネコ科の動物骨は表面採集においては見当たらなかった。
博物館資料に関しては、ベルリンエジプト博物館とベルリン自然史博物館の資料の見学を行った。ベルリンエジプト博物館では初代館長によって収集され、収蔵庫に保管されている動物ミイラの調査を行い、その中にイヌ科の動物も含まれており記録を行った。ベルリン自然史博物館資料は、イヌ科とネコ科の標本を見学し、ゲノム調査のためにサンプリングを行いたい個体の確定と破壊調査に伴う申請を行った。マクロの調査は来年度以降に行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はエジプトでフィールド調査を行い、対象となる動物種のマクロ分析(肉眼による分析)と記録ができた。ミクロ(ゲノム分析)は来年度に予定している。
博物館資料に関しては、ベルリンエジプト博物館の収蔵庫にある動物ミイラの対象種の調査を行うことができた。ベルリン自然史博物館の北アフリカで収集された対象種の標本を見学することができ、古ゲノム調査のための試料採取をしたい個体を特定し、サンプリングの申請を行った。
これまでの成果は6月と8月に国際研究集会で口頭発表を行い、金沢大学の講義でもゲストスピーカーとして公開した。

今後の研究の推進方策

2023年度はエジプト現地調査で資料のマクロ調査を継続する。ミクロ調査に関しては、2023年度にエジプトのフィールドにてポータブル機器による実験と、ベルリンの古ゲノムラボにおいて博物館の試料の分析を行う予定である。
博物館資料のマクロの調査も2023年度に行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に予定していたゲノム調査を2023年度に行うことになり、そのための関係諸費用が繰り越された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Freie Universitaet Berlin/Museum fuer Naturkunde Berlin/Aegyptisches Museum und Papyrussammlung(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Freie Universitaet Berlin/Museum fuer Naturkunde Berlin/Aegyptisches Museum und Papyrussammlung
    • 他の機関数
      2
  • [国際共同研究] Polish Academy of Science(ポーランド)

    • 国名
      ポーランド
    • 外国機関名
      Polish Academy of Science
  • [国際共同研究] Sohag University(エジプト)

    • 国名
      エジプト
    • 外国機関名
      Sohag University
  • [雑誌論文] Animal deposits on Gebel Asyut al-gharbi2024

    • 著者名/発表者名
      Chiori Kitagawa/Jochem Kahl
    • 雑誌名

      Interdisciplinary Egyptology

      巻: なし ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] A rib to curse: Taxonomic re-evaluation of the Coptic Magical Bone from Gebel Asyut al-gharbi (S05/46)2023

    • 著者名/発表者名
      Chiori Kitagawa
    • 雑誌名

      Schoene Denkmaeler sind entstanden: Studien zu Ehren von Ursula Verhoeven (図書)

      巻: なし ページ: 255から259

    • DOI

      10.11588/propylaeum.1085.c16605

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Animal cult in ancient Asyut2022

    • 著者名/発表者名
      Jochem Kahl/Chiori Kitagawa
    • 学会等名
      Third International Symposium on Animals in Ancient Egypt, The Middle NiIle and their Hinterlands
    • 国際学会
  • [学会発表] Animal deposits in ancient Asyut2022

    • 著者名/発表者名
      Chiori Kitagawa
    • 学会等名
      When entering uncharted territory… an Archaeology of the Late Dynastic Period and beyond
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Use of horses in Piramesse, New Kingdom Egypt2022

    • 著者名/発表者名
      Chiori Kitagawa
    • 学会等名
      XV Archaeozoology of Southwest Asia and Adjacent Areas Working Group
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi