研究課題/領域番号 |
22K01004
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松本 建速 東海大学, 文学部, 教授 (20408058)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マルタニシ / DNA / 次世代シーケンサー解析 / 移住 / 水稲耕作 |
研究実績の概要 |
【研究の概要】本研究は水田環境に好んで生息する種であるマルタニシを対象として、その遺伝子を解析しその系統を読み、遺跡のあり方から考古学的に把握されている、水田造営者である人間の移住とマルタニシとがいかなる関係にあるかを考察するものである。今回は、とくに明治期以降に水稲耕作が開始された北海道の当該種が、稲作開始期以降に本州以南の移住者によって持ち込まれたのか、それともそれ以前からそこに生息していたのかを次世代シーケンサー解析を応用して確かめるものである。 【2022年度の実施内容 【試料収集】北海道と、そこへの入植者の元来の本拠地である本州・四国・九州各地とでマルタニシを採集する必要があり、本研究の3年間のうち、最初の2年は試料採集の年とし、2年目の終了時までに、全試料の解析を終える計画である。ただし、科研費獲得以前に北海道や東北地方のマルタニシについては、一部地域以外で採集が完了していたので、科研費の費用で採集したのは北海道でのマルタニシの遺跡からの出土状況の確認、そして近畿・紀伊半島での同種の採集のみである。 なお、2022年までに、計画どおり北海道、東北、関東、北陸、そして近畿のマルタニシの採集は完了した。残りの四国・中国・九州地方で採集は2023年度に実施予定である。 【学会発表】学会発表を2件おこなった。6月の動物考古学会、9月の日本文化財科学会である。前者では本研究の目的とその実施内容について紹介し、また北海道における遺跡から出土したとタニシ類の発表をおこなった。後者では、その研究の実施状況を紹介し、今後の見通しを述べた。 【試料作製品目の購入】DNA解析用試料作製に必要な用具類を研究最初の年に購入し、研究2年目である2023年度の試料作製に備えた。一部に在庫がなく購入できなかったものがあるが(「実施状況報告書」参照)、計画に支障は生じていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の2年間は試料収集の期間である。2年間で日本列島中でそれを完了させる予定であるが、試料収集を実施した地域は計画どおりであり、試料も順調に採集できている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、夏までに四国・中国・九州地方で試料を収集し、当初の目標である北海道に明治期に入植した人々のすべての出身地から96点のマルタニシ試料の収集を完了する予定である。 その後、解析用の試料を作成し、年度内に次世代シーケンサー解析を実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試料作製に必要な物品のうちの海外製品の一部(見積もり額6,400円)が在庫が無く年度内には購入できなかった。その購入を次年度にまわしたため次年度使用額が生じた。なお、それを用いた試料作製は2023年度に実施するので研究本体への影響はない。
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