令和4年度は、本研究の初年度であり、研究のために必要なパソコンやカメラなどの機材の準備・調整及び基礎研究のための期間とした。研究に必要な物品等を購入し、取得した三次元データの整え方や断面図作成などの加工方法の習得に努めた。 研究の対象となる大宰府史跡出土品に関しては軒丸瓦、軒平瓦、文字が刻印された瓦などの瓦類を中心に継続して、写真データの取得に努め、専用ソフトによる三次元化の作業を行った。また、大野城跡の門礎など、大宰府史跡出土品以外の大宰府史跡に関連するものに関しても、写真データも取得も行い、三次元化を進めた。具体的な作業としては、一つの対象物に対して、あらゆる角度から50枚程度の写真を撮影を行う。その際に写っていない部分があれば、そこが三次元データ上の穴になってしまうため、対象物をまんべんなく撮影する必要がある。撮影したデータはAGISOFT社製のMetaShapeを用いて、三次元化を行っている。この場合に写真の撮影および、撮影データを解析する際に長時間を必要とする点が課題となった。そのため、Apple社製のiPadに搭載されているLiDAR機能を用いての三次元データ取得も並行して試行しているところである。この方法が軌道に乗れば、三次元化データを写真撮影による方法よりも、かなり短時間で得ることが可能となる。なお、三次元化ソフトや点群データ加工ソフトなど使用方法がかなり煩雑であるため、専門家にアドバイスを受けながら、加工技術の向上に励んだ。
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