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2022 年度 実施状況報告書

永久凍土環境における熱収縮クラック伝播プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K01028
研究機関北見工業大学

研究代表者

渡邊 達也  北見工業大学, 工学部, 助教 (80636168)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード熱収縮クラック / 永久凍土 / 多角形土 / 大雪山 / 周氷河地形
研究実績の概要

近年温暖化の影響を顕著に受けている永久凍土地帯では,永久凍土中のアイスウェッジの融解が地盤環境や生態系に大きな影響を及ぼしている.アイスウェッジの形成プロセスである熱収縮クラックは,その発生地温条件の解明が行われてきたが,地盤構成物質の影響やクラックの伝播プロセスについては未解明な点が残されている.熱収縮クラックの発生条件やその規模を知ることは,寒冷地域の表層地盤環境の過去から現在の変遷,そして将来変化を予測する上で重要である.そのため,熱収縮クラックの発生は,埋設ケーブルの断線,ひずみ変位計,加速度計などで検出が試みられ,発生する地温条件について提示・議論がされてきた.しかし,従来の計測手法は熱収縮クラック発生による地表面付近での変位や振動を捉えたものであり,鉛直方向への伝搬プロセスや,クラック到達深度と地温の関係性などについては十分に理解されていない.そこで本研究では,熱収縮クラックの伝播と到達深度の計測が可能な測器を作製し,それと合わせて地温や加速度イベントを計測することでクラックの最大到達深度や伝搬プロセスを明らかにすることを目的とする.現地観測は,日本国内で唯一,熱収縮クラックが活動的な北海道大雪山系の多角形土で実施している.大雪山系は永久凍土の分布限界域であるとともに,粗粒土地盤に多角形土が発達することから,従来の北極域の細粒土地盤の多角形土を対象とした観測事例とは異なる知見の獲得が期待される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画で予定していた熱収縮クラック伝搬検出装置を複数台作製し,観測地に埋設できたことから,当初の予定通り研究が進捗している.

今後の研究の推進方策

2023年の登山シーズンにおいて,観測データの回収・解析を行う.それらの結果を踏まえて,熱収縮クラック伝搬検出装置の改良や増設などを検討する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道,大雪山における最近の永久凍土・周氷河地形調査2023

    • 著者名/発表者名
      曽根敏雄・岩花剛・森淳子・渡邊達也
    • 学会等名
      日本地理学会2023年春季学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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