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2023 年度 実施状況報告書

ベトナムの農村工業化と非周辺的地域労働市場の形成―日本・韓国の経験と比較しつつ

研究課題

研究課題/領域番号 22K01045
研究機関岡山大学

研究代表者

金 どぅ哲  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (10281974)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード農村工業化 / 地域労働市場 / 脱農在村 / ベトナム
研究実績の概要

本年度は、ロンアン省ベンルック郡(ホーチミン市周辺の近郊農村型)およびフエ省プバン郡での現地調査を行った。まずそれぞれの工業団地については位置、名称、設立年、面積、企業数、従業員数、FDI企業に関する情報を収集するとともに、工業団地別の企業リスト(企業名、主な生産品、従業員数、工場面積、(FDIの場合)投資国)のデータを入手し、データベース化した。次に、進出企業については、対象企業の概要(設立年度、主な生産品目、工業団地への移転の理由、ワーカーの熟練度など)や従業員に関する項目(性別、教育水準、年齢、平均勤務年数、募集方法、居住地域と通勤手段、出身地域など)、勤務条件に関する項目(勤務時間とシフト、給料、休日、契約の形態など)についてデータを収集した。さらに、地域労働市場の供給側である農家については、世帯の就業状況と所得構成、農業経営(土地利用、農業労働力、耕作面積、農業機械など)の変化、企業への就業を選択した(しなかった)理由、最終学歴と通勤手段及び所要時間、賃金と機会費用、農地管理の将来計画などについて聞き取り調査を行った。その結果、企業の大半は繊維をはじめとする労働集約的な業種で、要求される熟練度は低度であり、要求される教育水準は小学校卒で読み書きができて指示の内容が理解できる程度であったが、実際は中卒以上が大半で、高卒や短大卒も珍しくなかった。勤務条件やシフトは企業によって異なるが、農繁期の協業などの地域特性への配慮は全くなかった。工場就業者が農業に携わるケースはほとんどなく、機械化や地域内の農業労働力で対応されていた。本年度の現地調査の結果はおおむね筆者の仮説を裏付ける内容だったが、調査対象の2地域を比較すると、ロンアン省よりほかの就業機会に恵まれないフエ省の方が労働者の平均学歴が高い結果となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は現地調査により上述のような成果を得ることができ、ベトナムにおける農村工業化の全体像に一層近づけたと考えている。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度の成果を生かし、地域労働市場の供給側である農家に関するアンケート調査を計画している。

次年度使用額が生じた理由

少額であるが、次年度はアンケート調査等で経費がかさむため、繰越すこととした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ホーチミン経済大学/フエ経済大学/フエ農林大学(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      ホーチミン経済大学/フエ経済大学/フエ農林大学

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公開日: 2024-12-25  

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