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2022 年度 実施状況報告書

地理教育におけるフィールドワークの活性化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01065
研究機関早稲田大学

研究代表者

池 俊介  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30176078)

研究分担者 井田 仁康  筑波大学, 人間系, 教授 (20203086)
田部 俊充  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20272875)
山本 隆太  静岡大学, 地域創造教育センター, 准教授 (80608836)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード地理教育 / フィールドワーク / コンピテンシー
研究実績の概要

日本の地理教育においては、特に中学校・高校におけるフィールドワークの実施率の低さが問題となっている。そこで本研究では、フィールドワーク研究・実践の先進地域であるヨーロッパ諸国やアメリカ合衆国を対象とした現地調査を実施し、そこで収集した資料・情報をもとに、発達段階に即したコンピテンシー重視のフィールドワーク教材を開発するとともに、フィールドワーク・イベントの試験的な実施を通じてフィールドワークの学校教育への普及を図ることを目的としている。
初年度である令和4年度は、諸外国におけるフィールドワーク研究の動向分析と、フィールドワーク実践に関する資料・情報の収集に重点を置いた。その結果、ヨーロッパ諸国では高度なレベルの探究型フィールドワークに関する研究が盛んであり、それらの研究成果はシンガポールや韓国などアジアの国々にも大きな影響を与えていることが分かった。すなわち、研究面では探究型フィールドワークを中心とする生徒主体のフィールドワークの内容・方法の検討が進んでおり、今後は日本での応用可能性や育成すべきコンピテンシーの内容を重視しつつ、それらの文献・資料の詳細な分析を進めて行く必要がある。
その一方で、実際の授業において探究型フィールドワークがどの程度まで定着しているかについては、いまだ情報量が少なく実態については不明な点が多い。例えば、ポルトガルでは見学型フィールドワークに相当する「visitas de estudo」の実施が一般的であり、作業型・探究型フィールドワークに相当する「trabalho de campo」の実施率は必ずしも高くなく、それが「私たちは提案する!」プロジェクトのような大規模なフィールドワーク・イベントが実施される背景となっている。したがって、学校教育におけるフィールドワーク実践の実態把握については、さらに情報を収集する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度は諸外国におけるフィールドワーク研究と学校現場における実践に関する資料・情報の収集に力点を置いて研究を進めた。その結果、生徒主体の探究型フィールドワークに関する研究が主流となりつつあることが明らかとなった。その点については有益な知見が得られたと考えているが、実際の学校現場におけるフィールドワークの普及の実態や、実際に使用されているフィールドワーク教材の内容については十分な情報が得られているとは言えない状況にある。したがって、フィールドワーク実践の実態に関するさらなる情報の収集に努め、それらの情報を踏まえて日本の学校現場の実態に即したフィールドワーク教材の内容を検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

令和5年度にはヨーロッパ諸国やアメリカ合衆国における現地調査を実施し、フィールドワーク実践の実態把握のための情報収集に力を入れるつもりである。また同時に、本研究の目的であるフィールドワーク普及のためのフィールドワーク・イベントの実施に向けた教材開発など具体的な準備作業を本格的に始める予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スウェーデン・フランスからみるヨーロッパ理解のための世界地誌教材の開発2023

    • 著者名/発表者名
      田部俊充
    • 雑誌名

      日本女子大学人間社会学部紀要

      巻: 33 ページ: 63-76

  • [雑誌論文] 社会科教科書における自然災害・防災に関する内容の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      池俊介
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 33 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] 地理学習と地理的な見方・考え方2022

    • 著者名/発表者名
      井田仁康
    • 雑誌名

      新地理

      巻: 70-3 ページ: 82-87

  • [雑誌論文] 茨城県久慈郡大子町のふるさと教育2022

    • 著者名/発表者名
      井田仁康
    • 雑誌名

      地理

      巻: 67-9 ページ: 47-54

  • [雑誌論文] 思考力・判断力を鍛える!世界と日本を読み解く地理授業デザイン2022

    • 著者名/発表者名
      井田仁康
    • 雑誌名

      社会科教育

      巻: 766 ページ: 4-9

  • [雑誌論文] ふるさと教育と地誌学習-地域をつなぐ・地域で考えるストーリーー2022

    • 著者名/発表者名
      田部俊充
    • 雑誌名

      地理

      巻: 67-9 ページ: 13-21

  • [学会発表] 日本の地理的技能と国際的な地理的スキル2023

    • 著者名/発表者名
      井田仁康
    • 学会等名
      日本社会科教育学会2022年度春季研究会
  • [学会発表] 次期改訂に向けての小中高地誌学習の新たな方向性(総括)2023

    • 著者名/発表者名
      井田仁康
    • 学会等名
      日本地理学会春季学術大会
  • [学会発表] 地誌学習の特徴と次期改訂に向けたアイデア2023

    • 著者名/発表者名
      池俊介
    • 学会等名
      日本地理学会春季学術大会
  • [学会発表] ハザードマップ、防災タイムライン、ナッジの組み合わせによる水防災教材の開発2022

    • 著者名/発表者名
      山本隆太
    • 学会等名
      日本地理教育学会第72回大会
  • [図書] フィールドワークから地球を学ぶ-地理授業のための60のエピソードー2023

    • 著者名/発表者名
      井田仁康(分担執筆)
    • 総ページ数
      138
    • 出版者
      古今書院

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公開日: 2023-12-25  

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