• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

儀礼と神話―多媒体で表現されるミエンの飄遙過海神話と儀礼システムの立体的研究―

研究課題

研究課題/領域番号 22K01084
研究機関神奈川大学

研究代表者

廣田 律子  神奈川大学, 経営学部, 教授 (70260990)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード神話 / ヤオ / 祭祀儀礼 / 飄遥過海
研究実績の概要

現地でのフィールド調査はコロナの影響で実施できなかったが、以下の内容で研究を進めた。
1)研究会開催 オンラインで日本のヤオ文化研究者ばかりでなく香港大、四川大、広西民族大等の研究者が参加し輪番で研究発表を行い、研究交流を実施した。開催日:2022年 4/24・6/26・7/26・9/11・12/4、2023年 2/12・3/5
2)歌書の研究 これまで収集した飄遥過海に関連する歌書について基礎研究を行った。女性歌手が使用する「女性歌書」の複数本(寧遠県本・藍山県本Ⅰ・藍山県本Ⅱ)の対比作業、男性祭司が使用する「大歌書」複数本(藍山県本・寧遠県本・資興市本)の対比および日本語訳を進めた。
3)身体表現データ作成 フィールドワークでこれまで収集した「還家願」儀礼の動画の中から飄遥過海に関連する身体表現を行う部分を抽出し、研究分析に必要な元データを作成した。
4)大歌書の採譜と譜割 「大歌書」の採譜を進め、音符に文字を当てはめる作業を進めた。
5)研究成果の刊行 『瑶族文化研究所通訊』第9号刊行

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで中国・タイ・ベトナムで調査を実施した際に収集した飄遥過海が反映されている多媒体について、漢字経典は比較対照に必要な「大歌書」「女性歌書」の複数本の翻字翻訳を進め、身体表現(舞踊)は、データを作成し、読経曲折については採譜を行う等分析を進める前段階の基礎資料を作成する作業を進めた。
さらにオンラインで研究会を開催し各国の第一線のヤオ研究者と頻繁に研究交流を行うことで新しい知見を得ることにつながった。

今後の研究の推進方策

今後は対面での研究交流やフィールドワークを再開するほか、飄遥過海神話の立体的な解明に必要な作業と研究を進める。
1)対面での研究交流 香港大学人文社会研究所と8月に香港で研究交流を実施する。11月に「第十七届中国瑶族盤王節学術検討会」に出席し研究発表を行い研究交流を実施する。
2)オンラインでの研究交流 オンラインで香港大学・四川大学・広西民族大学等を繋ぎ隔月に研究会を開催し、世界的なレベルでの研究交流を進める。
3)歌書の翻訳 「大歌書」「女性歌書」の日本語訳をさらに進める。
4)舞踊譜作成 飄遥過海に関連する身体表現の舞踊譜作成作業を進める。
5)大歌書の採譜と譜割 「大歌書」の採譜、音符と文字を当てはめる作業をさらに進める。

次年度使用額が生じた理由

中国雲南省河口瑶族自治県において2023年11月27日~12月1日開催予定の国際シンポジウム「第十七届中国瑶族盤王節学術研討会」に招へいされたが、交通費は支給されないため、その支出にあてる。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] 香港大学人文社会研究所/広西民族大学民族学与社会学学院(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      香港大学人文社会研究所/広西民族大学民族学与社会学学院
  • [雑誌論文] 女性歌書の対校2023

    • 著者名/発表者名
      倉澤茜・廣田律子
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 130(137)-266(1)

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中国与東南亜瑶族婚俗音楽文化的発展与変遷研究 ――以中国湘オウ桂、老カイ琅南塔、博膠、万象与泰国清ライ瑶族考察為例2023

    • 著者名/発表者名
      趙書峰
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 10-27

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 神奈川大学インターナショナルウィーク「少数民族ミエン・ヤオ の文化と伝承(インドシナデイズIN 湘南ひらつかキャンパス)」 参加報告 ―参加学生によるコメントまとめ―2023

    • 著者名/発表者名
      増野高司
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 100-106

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 疫病退散祭祀における神兵の役割―中国に居住するミエン・ヤオと周辺の事例から―2022

    • 著者名/発表者名
      廣田律子
    • 雑誌名

      東アジア比較研究

      巻: 21 ページ: 22-50

  • [雑誌論文] トン族の薩歳信仰と除災2022

    • 著者名/発表者名
      曹咏梅
    • 雑誌名

      東アジア比較研究

      巻: 21 ページ: 51-65

  • [学会発表] 藍テン瑤の祭壇(altar)について2022

    • 著者名/発表者名
      周思博
    • 学会等名
      第94回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] 藍テン瑤における道教儀礼の枠組みに対する応用2022

    • 著者名/発表者名
      謝孟謙
    • 学会等名
      第94回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] ミエンとムンの儀礼神画から見た信仰の世界2022

    • 著者名/発表者名
      譚静
    • 学会等名
      第95回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] 黄氏女的 三張面孔:一則故事在漢族、白族與瑤族的流傳與演變(ランテンヤオ黄氏女物語のジャンルについて)2022

    • 著者名/発表者名
      孫嘉ユェ
    • 学会等名
      第96回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] 秘語文献から見る藍テン瑤族の伝度儀礼(1)2022

    • 著者名/発表者名
      丸山宏
    • 学会等名
      第97回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] 父系合同家族から核家族へ:タイ北部のミエンの家族構成の変化と祖先祭祀の変化2022

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 学会等名
      第98回ヤオ族文化研究会
  • [学会発表] 秘語文献から見る藍テン瑶族の伝度儀礼(2)2022

    • 著者名/発表者名
      丸山宏
    • 学会等名
      第99回ヤオ族文化研究会
  • [備考] ヤオ族文化研究所ウェブサイト

    • URL

      https://www.yaoken.org/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi