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2022 年度 実施状況報告書

モンゴル国西部の音の世界と声の技術:アルタイの山の主といかに交信するか

研究課題

研究課題/領域番号 22K01093
研究機関東京外国語大学

研究代表者

上村 明  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (90376830)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードのど歌 / 英雄叙事詩 / ツォール / オリアンハイ人 / 山の主信仰 / 家畜のかけ声
研究実績の概要

西モンゴルの調査地で牧畜作業の参与観察を行うとともに、家畜の呼び声やそれに対する家畜の応答を録音し、のど歌等に関する伝承を記録した。また、風など自然音の録音と景観の撮影を行った。そして、ツォールという笛の演奏者のナランバト氏や英雄叙事詩の語り手バルダンドルジ氏らと数回にわたり面会し、インタビューと録画をおこなった。
さらに、ウランバートル市郊外やスフバートル広場で開催された民族フェスティバルに参加し、西モンゴルの芸能が現在のモンゴル文化や社会のなかでどう実践されているか観察した。これと関連して、モンゴル国立文化財センターを訪れ、所長のエンフバト氏に伝統芸能の保存と継承についてインタビューをおこなった。さらに、今年3月オックスフォード大で行われたデザート・コンフェランスに参加し、コロナの流行によって西モンゴルの舞踏や音楽に対する評価が変わり、どのように実践されるようになったかについて研究発表を行った。また、ガンダン寺で行われた国際シンポジウム「オリアンハイ人の歴史、宗教、文化遺産」では、英雄叙事詩やツォール音楽の伝承されるオリアンハイ人の歴史的背景について「オリアンハイ統治者ハルハのモニジャブについて」というタイトルで発表し、モンゴルの研究者たちと交流した。
現地調査によって、ツォールや英雄叙事詩の語りなどのど歌や、家畜への呼び声やそれに対する応答、自然音を録音し、西モンゴルの音の世界を明らかにするための資料を収集できた。とくに、ハイゾレ録音や全方位環境音の録音は、これからの研究に有用な資料となる。また、伝統芸能者や現地の住民へのインタビューによって、のど歌の伝統が受け継がれてきた社会の状況が明らかになってきた。それによると、現在一般に語られているより過去の伝統継承者の層はあつく、さまざまな言い伝えも現在に語り継がれていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

口頭での発表はあったが、論文等の発表ができなかった。
また、夏の調査でホスト・ファミリーが旅行に行って不在で、家畜へのかけ声やヤギの搾乳などの調査が十分にできなかった。

今後の研究の推進方策

この年度に十分できなかった家畜へのかけ声やヤギの搾乳などの調査に重点を置く。ただし、調査地は現在深刻な雪害に見舞われており、1993年から訪問し調査を行っている世帯も家畜と健康への被害を被っている。したがって、この夏調査ができない可能性もあり、その場合べつのもっと若い世帯で調査しなければならなくなる。
そのほかの伝統継承者へのインタビューや録画等は、引き続き行う。
口頭発表の内容を論文等にまとめ発表する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] 科学アカデミー言語文学研究所/モンゴル国立大学社会人類学研究室/国立文化財センター(モンゴル)

    • 国名
      モンゴル
    • 外国機関名
      科学アカデミー言語文学研究所/モンゴル国立大学社会人類学研究室/国立文化財センター
  • [国際共同研究] オックスフォード大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      オックスフォード大学
  • [学会発表] Hybridity and Vitality of Culture: Mongolian Traditional Performing Arts during the Covid-19 pandemic2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Kimamura
    • 学会等名
      6th Oxford Desert Conference
  • [学会発表] オリアンハイの統治者ハルハのモニジャブについて(モンゴル語)2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Kamimura
    • 学会等名
      国際シンポジウム「オリアンハイ人の歴史、宗教、文化遺産」
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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