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2022 年度 実施状況報告書

離婚手続時の養育プログラムの制度設計に関する政策提言-アジア地域における比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01108
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

清末 愛砂  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (00432427)

研究分担者 立石 直子  岐阜大学, 地域科学部, 教授 (00369612)
大川 謙蔵  摂南大学, 法学部, 准教授 (40582771)
伊藤 弘子  名古屋大学, 法学研究科, 学術研究員 (90340364)
梅澤 彩  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (90454347)
李 妍淑  琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90635129)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード離婚手続 / 養育プログラム / 子の最善の利益
研究実績の概要

日本では、子どもの貧困の要因の一つである父母の離婚後の養育費の未払いや支払の遅延問題等を改善するために、離婚法制の改革が強く求められている。その改善策の一つとして、離婚手続時の養育プログラム制度の導入が考えられる。本研究は、日本と類似する社会的・文化的背景を有する韓国・台湾・シンガポール等のアジア諸国(地域)の離婚時の養育プログラムに着目し、日本での導入に向けた政策提言を行うための国際比較を行うことを目的としている。
本研究の遂行にあたり、研究代表者、研究分担者および研究協力者は調査対象国別につくっている4つの研究グループ(複数のグループに属する場合もある)に配属され、日常的な研究活動はこれらのグループ内で実施する方式をとっている。具体的には、各国の離婚をめぐる状況、現行の離婚法制や養育プログラムの内容、現行制度の課題と改正の動き、司法の関与等にかかる調査を各グループが担当する。研究代表者と研究分担者および研究協力者は外国法制研究会のメンバーであるため、そのオンライン研究会を通して、各研究グループの進捗状況の共有および研究遂行にあたっての課題を全員で共有する。加えて、各グループの報告に基づき、さらに調査および検討すべき点を全体で見いだす形をとる。
外国法制研究会の研究会は月例で開催されており(オンライン)、2022年度はそのうちの複数およびの研究会を使って検討を行った。当初の予定通り、2022年度は研究代表者、研究分担者・研究協力者の全員が属している日本グループでの活動が中心となり、日本の離婚法制にかかる先行研究や文献を調査するとともに、実務(研究協力者)から見える諸々の課題を検討しながら、問題点の抽出をはかった。加えて、2022年9月と2023年2月に台湾の家族法の研究者との研究交流(対面およびオンライン)の機会を得たため、台湾の離婚法制に関する知見も得ることもできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2022年度は当初から、日本グループの担当課題(日本の離婚法制にかかる先行研究や文献の調査と内容分析、それらから見える手続の課題、養育プログラムの導入の可能性等)に関する研究を行うことを予定していた。結果的に、研究代表者、研究分担者および研究協力者が外国法制研究会の研究会に積極的に出席し、日本の離婚法制に関する先行研究や文献研究に関する分析を共有し、課題の抽出を行うことをほぼ予定通りに実施することができた。
それだけでなく、次年度に現地調査をする予定である台湾の離婚法制に関する知見についても、台湾の複数の家族法研究者との研究交流(対面およびオンライン)を通して得ることができたため、それらが次年度の現地調査の下地をつくることにもつながった。

今後の研究の推進方策

4つの研究グループ(日本、韓国、台湾、シンガポールグループ)内で、先行研究や関連文献の分析・検討を行いながら、オンラインまたは対面式の全体研究会で分析結果の共有と課題の抽出を実施していく。
COVID-19の感染問題の動向に鑑みながらになるが、台湾や韓国での聞き取り調査(家族法の研究者、関連省庁の担当者、養育プログラムを実施している民間団体等)の実施計画を立て、実行したい。COVID-19の感染拡大により海外での調査が難しい時期もあったが、現在は以前よりも容易になっているため、実施できる可能性が高いと考えている。当初は、シンガポールでの現地調査も予定していたが、研究交流を重ねてきた現地の家族法の研究者の都合等により、2024年度に変更する可能性がある。
また、外国法制研究会だけでなく、関連する研究会や所属学会の大会等に出席し、知見を深める。加えて、2022年度の研究結果をできるだけ早期にまとめ、関連する研究会や所属学会の大会等で中間報告として発表できる可能性を探る。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、COVID-19の感染問題に鑑みて、研究代表者、研究分担者および研究協力者による対面での研究会を開催できなかったことによる。次年度以降に、所属学会等での研究報告、海外での聞き取り調査、または対面で外国法制研究会を開催する場合等の費用として用いることを計画している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 憲法24条2項に定める「個人の尊厳」を立法に生かす意義2022

    • 著者名/発表者名
      清末愛砂
    • 雑誌名

      ジェンダーと法

      巻: 19 ページ: 24-35

  • [雑誌論文] 定着後の在留外国人に関する法的問題ー入管法と国際私法の観点からー2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤弘子
    • 雑誌名

      アジア法研究

      巻: 14・15合併 ページ: 159-174

  • [雑誌論文] 翻訳:世界銀行文書:ラオス人民民主共和国土地権原付与プロジェクト(報告書番号14902-LA)2022

    • 著者名/発表者名
      大川謙蔵
    • 雑誌名

      摂南法学

      巻: 60 ページ: 101-199

    • 査読あり
  • [学会発表] シンガポールの司法改革とメディエーション制度の強化-DV被害者保護への影響-2022

    • 著者名/発表者名
      清末愛砂
    • 学会等名
      日本司法福祉学会第22回全国大会
  • [学会発表] The Lao New Civil Code and Current Situation of Security System2022

    • 著者名/発表者名
      Kenzo OKAWA
    • 学会等名
      Law and Society Association
    • 国際学会
  • [図書] 子どもの権利保障と親の離婚2023

    • 著者名/発表者名
      二宮 周平(編)、梅澤彩ほか10名
    • 総ページ数
      348
    • 出版者
      信山社出版
    • ISBN
      9784797293067

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公開日: 2023-12-25  

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