研究実績の概要 |
研究計画2年目である令和5年度の研究遂行計画にしたがい,研究成果をまとめ論文提出を行った。具体的には,ドイツ・ミュンヘン工科大学Wernecke博士らによる編著に,ドイツ語により,"Gesetz des Universums"というタイトルで寄稿することとした。当初は英語による論文公表を予定していたものの,研究協力機関であるミュンヘン工科大学における研究枠組が,クロアチア・ザグレブ大学との共同でドイツ語により行われていることから,このたびの論文公表はドイツ語によることとした。このほか,現代義務論の応用分野として,水俣病事件の新たな下級審裁判例にかんして,論文「病像論再々考 ― ノーモア・ミナマタ近畿訴訟第一審判決に寄せて」(東北ローレビュー Vol.12(2024)54-75頁)を公表した。なお,研究計画においては東アジア法哲学シンポジウムにて口頭発表を予定していたが,当国際シンポジウムは未開催であったために,国際学会における口頭発表の機会は得られなかった。研究計画3年目の研究遂行のために,2024年7月にソウルにて開催予定の国際法哲学・社会哲学会(IVR2024)において,ワークショップ(SW027)"Taking Philosophy Seriously in Law and Society - a philosophical talk session (Convenors: Hiroshi Kabashima, Christoph Luetge, Aurelio de Prada)を主催を準備した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画3年目であり最終年度の2024年は,国際共同研究を進めるとしていたところ,ソウルで開催されるIVR2024において,ワークショップ(SW027)"Taking Philosophy Seriously in Law and Society - a philosophical talk session (Convenors: Hiroshi Kabashima, Christoph Luetge, Aurelio de Prada)を主催することとし,そのなかで,口頭発表Kabashima, H.: "Gegenwart und Ewigkeit, das Nichts und das Ganze – eine philosophische Brücke zwischen West und Ost, H. Arendt und K. Nishida"を行う予定としている。現在,共同研究者のLuetge教授,de Prada教授等とともに,国際共著の出版を計画しており,そのなかでの論文公表を行う予定である。あわせて,当初の研究計画のとおり,日本語での論文発表も進める予定である。こうした研究活動により,本研究計画の目的として掲げたとおり,法哲学・正義論における国際共同研究プロジェクトを推進し,国際的な研究成果の交流と討論を通じて,グローバル社会における普遍的な規範的基礎の構想に参与し貢献することとしたい。
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