• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

裁判所による不平等の救済方法の理論的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K01161
研究機関東北学院大学

研究代表者

松原 俊介  東北学院大学, 法学部, 講師 (80850750)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード平等 / 救済 / アメリカ憲法 / 同性婚
研究実績の概要

本研究は、日米における裁判所による不平等の救済方法について包括的な整理・考察をすることで実務での参考になるような理論的体系を構築することを目的としている。
本年度は、まず、日本における同性婚訴訟に関する研究を行った。昨年度から新たに名古屋・福岡・東京の各地裁判決と札幌高裁判決が出され、これらの裁判例についての分析を行った(この研究成果の一部は、判例解説において公表した)。また、2024年2月に申立てが行われた同性婚を求める仙台家事審判事件において、オブザーバーとして弁護団会議に参加しながら、同性間の婚姻を認めないことの憲法適合性の問題や、違憲と判断された場合に婚姻届受理の救済を認める法律構成について検討した。このオブザーバーとしての参加は次年度も引き続き継続する予定であり、実務的な観点も取り入れた研究を進めていきたい。
アメリカにおける不平等の救済に関する研究としては、平等保護やアファーマティヴ・アクションに関する判例の研究を行った。また、アメリカ法で初めて同性カップルの婚姻を認めたマサチューセッツ州の判例を分析した。ここでは、違憲の救済方法として婚姻類似の制度を創設することでも足りるか否かが問題となっており、日本の同性婚訴訟についての示唆も得ることができた(この成果は、「同性婚訴訟と婚姻類似の制度」法学87巻4号156頁によって公表した)。これらの研究は次年度も引き続き行っていく予定であり、その研究成果も踏まえて公表することを予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度においては、同性婚をめぐる日米の判例・裁判例の研究に重点を置き、いくつかの成果を公表することができた。当初はアメリカにおける救済法理を考察するために、人種別学訴訟を中心に分析することを計画していたが、研究が進むにつれて日本でも問題となっている同性婚訴訟の分析に重点を置くことにした。また、アメリカでの資料収集を次年度に持ち越したが、全体としてはおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本年度における研究を引き続き継続し、アメリカでの調査も踏まえながら、研究の成果を総括する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 判例解説:①大阪地判令和4・6・20判時2537号40 頁・②東京地判令和4・11・30判時2547号45頁──同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の諸規定の憲法適合性2024

    • 著者名/発表者名
      松原俊介
    • 雑誌名

      家事法の理論・実務・判例7

      巻: 7 ページ: 88-97頁

  • [雑誌論文] 同性婚訴訟と婚姻類似の制度2024

    • 著者名/発表者名
      松原俊介
    • 雑誌名

      法学

      巻: 87巻4号 ページ: 156-173頁

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 同性婚訴訟の憲法的考察2024

    • 著者名/発表者名
      松原俊介
    • 学会等名
      第79回公法系勉強会
    • 招待講演
  • [学会発表] 同性婚訴訟の憲法的考察2024

    • 著者名/発表者名
      松原俊介
    • 学会等名
      第 24 回「国家と法」研究会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi