研究課題/領域番号 |
22K01166
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小松 浩 立命館大学, 法学部, 教授 (40234877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 憲法 / レファレンダム / 民主主義 / イギリス |
研究実績の概要 |
イギリスや日本における議会制民主主義の現状、問題状況、レファレンダムなどの直接民主主義に関する文献を収集、購読し、これらの問題につき思索を深めた。抽選民主主義やAIによる政策決定などが声高に主張される現在、これまでの議会制民主主義を補完する意味でも少なくともレファレンダム導入について真剣な検討が必要ではないかという思いを強くした。 2023年3月には、「イギリスにおけるレファレンダムについての2つの理解」(立命館法学405・406号)にこれらの成果を発表した。 Bogdanorは、レファレンダムについての不一致は民主主義についての不一致であり、レファレンダムについての議論は民主主義に対する議論であるといえるという 。民主主義についての異なった見解はレファレンダムについての異なった見解を提供する。レファレンダムは代表者の行為に対する制限だとする見解は自由主義的伝統を反映しており、他方、レファレンダムは一時的な代表者の代替だとする見解は市民共和主義的伝統を反映しているとされる。Truebloodは、「制限としてのレファレンダム」アプローチが理論的にも実際的にも優れた見解だとする。代表者に制限をかけるというのではなく、代表者の代替としてレファレンダムを利用するという試み、代表者を代替するためにレファレンダムを利用するという試みは、様々な失敗をもたらしたという。本論文では、こうしたイギリスにおけるレファレンダムに関する議論を紹介、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年9月から2023年3月まで学外研究中であったため、順調に研究が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の延長で、イギリスや日本における議会制民主主義の現状、問題状況、レファレンダムなどの直接民主主義に関する文献を収集、購読し、これらの問題につきさらに思索を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
26円分の使用は困難で、2022年度26円未使用であったため。2023年度分と合算し、書籍代などとして使用する。
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