研究課題/領域番号 |
22K01238
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
道垣内 弘人 専修大学, 法務研究科, 教授 (40155619)
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研究分担者 |
宮本 誠子 金沢大学, 法学系, 教授 (00540155)
石綿 はる美 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (10547821)
古賀 絢子 東京経済大学, 現代法学部, 准教授 (10633472)
大島 梨沙 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20580004)
ROOTS MAIA 東北大学, 法学研究科, 准教授 (20754550)
羽生 香織 上智大学, 法学部, 教授 (30547279)
幡野 弘樹 立教大学, 法学部, 教授 (40397732)
西 希代子 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (40407333)
青竹 美佳 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (50380142)
木村 敦子 京都大学, 法学研究科, 教授 (50437183)
久保野 恵美子 東北大学, 法学研究科, 教授 (70261948)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子の監護 / 児童虐待 / 遺産分割 / 相続分の譲渡 / 親子関係の決定 / 同性婚 / 離婚給付 |
研究実績の概要 |
本年度は、これまでの共同研究の成果として、『家事法の理論・実務・判例6』の刊行の準備を行った。令和4年度中には校正等も完了し、令和5年度早々に発刊できることとなった。ここでは、共同研究のテーマとして、子の監護・児童虐待をとりあげ、竹内亮氏(弁護士)、帯刀啓代氏(児童相談所)の協力を得るとともに、研究分担者である西希代子が論文「児童虐待と民法-親権法から親子関係法へ」を発表した。また、重要な判例についての検討を行い、5人の研究者の協力を得て、判例解説を上記著作に掲載した。 児童虐待については、研究分担者の久保野恵美子も「児童虐待への民事法的対応――親権法改正について」を法律時報94巻11号に発表した。また、研究分担者の石綿はる美も、「民法における体罰禁止とその課題――体罰禁止のそのあとに」を法律時報94巻11号に発表した。 その後、共同研究のテーマとして、遺産分割をとりあげた。浦木厚利氏(弁護士)、佐藤香織氏(弁護士)の協力を得るとともに、研究分担者の青竹美佳が、とくに相続分の譲渡に注目して、研究報告を行った。Zoomを利用した共同研究会を開催し、積極的な議論を行った。この報告は、『家事法の理論・実務・判例7』に掲載し、夏頃に公になる予定である。 また、重要な判例についての検討を行い、最終的に、5件に絞って、判例解説を雑誌に掲載すべく、準備を行った。このとき、研究分担者に限らず、適切な専門家の助力を得ることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定したテーマについては、Zoomを利用した共同研究を行っているほか、各人が他の研究分担者と相談しながら、着実に成果を上げ、公表している。 令和4年度の研究成果の公表の目途も立ち、令和5年の共同研究についても、テーマを定め、実行する予定が立っている。関連して、、7月7日には、家事法の全般的な理解を深め、今後の研究の指針を得るために、松原正明氏(元裁判官)の協力を得て、家庭裁判所の歴史と実務の変遷を検討することになっている。 もっとも、共同研究の場については、これまで場所等を提供してくれていた機関の協力が得られなくなり、若干の調整が必要となっている。しかし、この点については、新たな場所との交渉も進んでおり、うまく解決できるものと思われる。 また、家事法の実体法については、近時、法改正も多く、本科研のメンバーの多くは、各種の委員・幹事として、法改正を担う立場にある。これは、共同研究に割く時間の減少をもたらしているが、他方では、研究を社会につなげる重要な役割を果たすものであり、また、審議会などの場での知見も、今後の研究に役立つものと考えている。 以上から、概ね順調に進展していると評価できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、現在、立法が現実的になっている点、すなわち、共同親権、同性婚などについて検討を進めるとともに、親子関係の決定など、いちおう立法的対応が行われたところについても、さらなる検討を進めることにしたい。 本共同研究の参加者の多くは、各種審議会などを通して立法に参画しているが、そこでの知見等を活かしながら、社会とのつながりを十分に意識した研究を進めていきたい。また、立法が現実的な日程に上ると、比較法や歴史的研究に割く時間・労力が減少しがちになるが、その点を補完できるような研究を進めたい。 以上の目的のため、まずは、立法的課題について、各論的な報告を積み重ねることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度において重要な役割を果たすことが予定されている研究分担者が、とくに各国の近時の立法後の資料を入手しようとしたため、出版の遅れなどの影響を受け、支出が減少した。しかし、各国における新法を踏まえた資料が続々と出ている現在、今後の必要額は増加する。 コロナが十分に治まらなかったため、旅費が減少した。しかし、対面での議論は重要であり、今年度は、対面での研究会を増加させる予定である。
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