研究課題/領域番号 |
22K01287
|
研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
張 睿暎 獨協大学, 法学部, 教授 (80434231)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | プラットフォーム / 情報透明性 / 著作権 / クリエーター / 正当な対価 |
研究実績の概要 |
現在、コンテンツ利用許諾と使用料の徴収・配分の場面において、クリエイター(創作者)に正当な対価が還元されない問題が指摘されている。「使用料の徴収と配分の正確性と効率性」を果たすためには、著作権集中管理団体のほか、コンテンツ流通の関係者らが有する全ての著作権関連情報の透明性(transparency)が必要である。多くのコンテンツがオンラインプラットフォーム(online platform)で流通されているという現状で、プラットフォームの積極的な役割なしでは適切な対価還元は不可能である。 本研究は、近時のEUデジタルサービス法(DSA)規則案をはじめとする欧米のオンラインプラットフォーム規制を検討し、クリエイターへの正当な対価還元のために開示されるべき情報とプラットフォームの役割を考察することで、クリエイターへの正当な対価還元のための法制のあり方を比較法的に研究するものである。 2022年度はオンライン学会および海外現地調査(スペイン・中国・韓国)を行い、①オンラインプラットフォーム規制の現状、②クリエイターへの正当な対価還元のために、プラットフォームの透明性義務の対象に含まれるべき著作物関連情報は何か、③現行のプラットフォーム規制から変わるべき点は何かなど、デジタルプラットフォーム産業を規制する法制や政策に関する動向をヒアリングしてきた。その結果は研究成果として公表を予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症による渡航規制も緩和され、海外研究調査を予定通りに実施できた。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症による渡航規制も緩和され、海外現地調査も可能になったので、2023年6月のフランス出張および学会参加をはじめに、引き続きオンラインとオフラインを併用して、海外共同研究者らと研究交流を継続し、欧州各国および米国における最新研究情報の入手に努める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度の海外調査期間を短めに設定したため、旅費部門で残額が生じたが、2023年の旅費に充当する予定である。
|