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本研究の目的は、地方自治政策の決定に国政政治家がどのように関与しているのかを解明することである。比較政治学では、個別の地方政府の利益を国政に反映させるルートとして、政党組織を通じた政党ルートが機能するとされてきた。しかし、個別の地方政府ではなく、地方全体にかかわるような「地方利益」をだれが国政に反映させているのかについては、明らかになっていない。そこで、本研究では、政党ルートが機能しないカナダにおける連邦議員の前職に注目し、「地方政治出身の国政政治家が地方自治政策の決定に関与しているのか」という課題に取り組む。そのために、以下の二つの問いを解明する。第一に、「カナダの州出身議員は連邦州関係を自分の専門領域として選択しているのか」。第二に、「カナダの州出身議員は州利益を表出しているのか」。 これらの問いを解明するために、本年度はカナダの政党政治専門家を訪問するなど、研究を進めた。その中では、先行研究で指摘されてきたのとは異なり、州政治出身の連邦議会議員が一定数存在していることを明らかにした。他方で、連邦議会において、政府間関係を所管するのが予算委員会であり、委員会所属からは議員の専門性を解明できないという研究の限界が明らかになった。そのため、議会での議員の発言から議員の専門性と利益表出を解明する方向に研究方針を転換することとした。しかし、この転換によって、研究の最終成果の完成に時間を要している。
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