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2022 年度 実施状況報告書

市長選挙における保守分裂の要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K01321
研究機関甲南大学

研究代表者

平野 淳一  甲南大学, 法学部, 准教授 (10550949)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード地方政治論 / 政治学
研究実績の概要

本年度は作成した市長選挙データをもとに、新聞記事で保守分裂の記述がみられる事例の一部について分析を行った。その結果、分裂の要因については政策をめぐる対立の他に、地元国会議員と地方議員の対立、過去の中選挙区時代の議員系列間の対立の残滓といったものがこれまでのところ見受けられる。中選挙区時代の対立については、衆議院の選挙制度が小選挙区比例代表並立制に変わってから久しい。だが、当時を知る者が政治家や有権者に多くいることや、都道府県議会や市町村議会については選挙制度が従来のままであることを考えると、影響が現在にでも及び得ると考えられる。分裂の要因は地域によって様々だが、共通しているのは、知事選挙を扱った先行研究でも指摘されている通り、調整役となる政治家がいないということである。あるケースでは、それまで選挙区内の市長選挙で候補者調整を行っていた自民党のベテラン衆議院議員が引退し、調整役がいなくなったことで分裂選挙となっていた。後継の自民党衆議院議員はいるものの、国会議員としての地位だけでは調整役としては不十分であることが窺える。また、知事選挙で見られた国会議員と地方議員の対立が、市長選挙でも見られることから、国会議員と地方議員の関係が変質し、それが地域の権力構造の変容をもたらしている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度後期より在外研究に入っているが、統計分析等の方法論の修得に多くの時間を費やしたため、当初の予定通りに研究が進んでいない状態である。だが、2023年度以降は集中して研究活動に取り組むことができており、遅れを取り戻すようにしたい。

今後の研究の推進方策

本研究課題が扱っている市長選挙における保守分裂は、新聞記事等でも詳しくその内実について触れられていないことが多い。そのため、分裂の要因についての情報を集めるために、地方紙についても目を向けていく必要がある。また、保守分裂という日本特有と思われる現象を、他国で見られる予備選挙における現職への有力な対立候補の出現といったものと比較し、政党内競争として位置付けていくことも必要と思われる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続いたため、予定していたアルバイトの雇い入れができなかった。また、学会出張についてもできなかったことから、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 現職市長への有力な対立候補の出現要因2022

    • 著者名/発表者名
      平野淳一
    • 学会等名
      神戸大学政治学研究会
  • [図書] 図録 政治学 第12章、第24章2023

    • 著者名/発表者名
      平野 淳一
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4-335-35941-5

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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