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2022 年度 実施状況報告書

「危機」における議会制デモクラシーと政治指導:プロイス・ケルゼン・シュミット

研究課題

研究課題/領域番号 22K01322
研究機関松山大学

研究代表者

遠藤 泰弘  松山大学, 法学部, 教授 (30374177)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードフーゴー・プロイス / カール・シュミット / ハンス・ケルゼン / ワイマール憲法48条 / 緊急事態条項 / 非常権限 / 緊急命令権 / 独裁
研究実績の概要

フーゴー・プロイスおよびカール・シュミットのヴァイマル憲法48条論や緊急命令権に関する議論に取り組んだ他、ウィーン大学のケルゼン研究所を訪問し、ケルゼン研究所所長のオレコフスキー教授の協力を得て、資料調査も実施できた。
プロイスの国際法論に関する査読付き論文を1本、日本国憲法43条の国民代表を論じた紀要論文2本を執筆した他、イタリア・メナージョのヴィラ・ヴィゴーニで開催された、カール・シュミット『大地のノモス』の国際研究集会に参加して、研究報告(Nomos der Erde und die ostasiatische Weltordnung)を行った他、ウィーン大学法学部においても、プロイスとシュミットのヴァイマル憲法48条論をめぐる講演(Artikel 48 der Weimarer Verfassung: Hugo Preuss und Carl Schmitt im Streit ueber den "Diktaturartikel")を行った。いずれも高い評価を得て、前者の原稿はドイツの雑誌への投稿を打診され、後者については、オーストリアの雑誌への投稿を打診されて、現在独語論文の公刊に向けた作業を行っている。
そのほか、カール・シュミット研究で著名なラインハルト・メーリング教授とハイデルベルクで開催されたマックス・ヴェーバー研究会で再会して親交を深めることができ、メーリング教授の自宅を複数回訪問して、シュミットの一次資料に関する貴重な情報を得ることもできた。今後は、それらの情報に基づき、シュミットの一次資料の調査にも取り組んでいきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

昨年10月より、ドイツのケルンに拠点を置いて在外研究に従事しており、イタリアで開催された国際研究集会やウィーン大学法学部における講演においてドイツ語で発表する機会を得たほか、それら原稿のドイツおよびオーストリアにおける公刊にも目途が立っている。これまで培ってきたドイツにおける人脈が、ドイツおよびオーストリアにおいて幸運な形で次々に繋がって、当初期待していた以上に大きな成果に結びつきつつあることを実感している。引き続き、この調子で研鑽を続け、新たな研究成果につなげていきたい。

今後の研究の推進方策

現在進行中の2本のドイツ語論文を完成させて、無事に公刊にこぎつけられるように努力を続けるとともに、メーリング教授などから得た資料情報を元に、シュミットの一次資料の探索に取り組みたい。
ケルゼンについても、ケルゼン研究所の協力を得て、さらに研究を進展させたい。

次年度使用額が生じた理由

旅費の決済が年度を跨いだため。次年度に決済する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件)

  • [雑誌論文] 「国民代表」とは何か~愛媛県第2区(旧3区)の実例に基づく憲法43条の考察 (上)2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 雑誌名

      松山大学論集

      巻: 34 ページ: 143-174

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「国民代表」とは何か~愛媛県第2区(旧3区)の実例に基づく憲法43条の考察 (下)2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 雑誌名

      松山大学論集

      巻: 35 ページ: 未定

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] フーゴー・プロイスの国際法論2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 雑誌名

      法と文化の制度史

      巻: 1 ページ: 111-142

    • 査読あり
  • [学会発表] Artikel 48 der Weimarer Verfassung: Hugo Preuss und Carl Schmitt im Streit ueber den "Diktaturartikel"2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Endo
    • 学会等名
      Gastvortrag des Instituts fuer Rechts- und Verfassungsgeschichte der Universitaet Wien
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Carl Schmitts Nomos der Erde und die ostasiatische Weltordnung2022

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Endo
    • 学会等名
      Carl Schmitt: Der Nomos der Erde - Kritik und Kreise des eurozentrischen Voelkerrechts -
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「安全保障をめぐって:ロシア・ウクライナ戦争のインパクト③」2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 学会等名
      伸進館コロキウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 「安全保障をめぐって:ロシア・ウクライナ戦争のインパクト④」2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 学会等名
      伸進館コロキウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 「ヒトラーをなぜ止められなかったのか ~ ドイツの教訓からプーチン擁護論の問題点を考える」2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 学会等名
      伸進館コロキウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 「丸山眞男『超国家主義の論理と心理』を読む」2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 学会等名
      伸進館コロキウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 「Nation とは何か ~ ①フランス革命とナポレオン戦争 ②創られた伝統と天皇制」2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤泰弘
    • 学会等名
      伸進館コロキウム
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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