研究課題/領域番号 |
22K01327
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 武 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70302784)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 主流派政党 / 急進政党 / キリスト教民主主義政党 / 保守主義政党 / 政党システム / 政党組織 / 社会的亀裂 / 選挙 |
研究実績の概要 |
本年度は、計画の2年目として、ヨーロッパの主流派政党(Mainstream Party)の変容に関して、(1)分析の基盤となる先行研究の理論枠組みや分析手法についての知見をさらに深めること、(2)既存のデータベースや資料に加えて、現地資料調査を踏まえたデータと資料の収集を体系的に行うこと、(3)1年目からの成果を踏まえて、中間成果となる論文を国際・国内双方の学会報告論文や、査読誌への論文投稿などの形で発表していくこと、(4)それらの成果を踏まえて、3年目以降の最終成果の取りまとめに向けた分析、論文執筆、成果公表計画の再検討を行うこと、を課題として取り組んできた。 (1)については、日本における通常の研究活動に加えて、2024年3月にオックスフォード大学から招聘した主流派政党研究の第一人者Tarik Abou-Chadi氏から研究動向の説明を受け、意見交換を行うことによって、重要なアップデートが可能となった。(2)については、イタリア等、3度に渡る調査出張によって、歴史的な前提まで含む政党政治や選挙関係の資料を収集することができた。(3)については、CESに提出したイタリアの主流派政党の衰退に関する論文および報告が採択されたため、報告を行い、現地の政党政治研究者からコメントを受けた。政党間の亀裂や有権者の支持については、国内の学会も含めて複数の報告を行っている。(4)については、以上の知見を活かして、関連の多数国間比較の論文などを執筆・投稿し、開講している。その成果を2024年度の学会報告として投稿し、APSA,ECPR、日本政治学会に報告プロポーザルが採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中間成果および関連成果となる論文や学会報告については、CESなど国際学会での報告や日本政治学会など国内学会・研究会での報告という形で、着実に中間関連成果公表につなげることが出来ている。そこで得たコメント等を活かして、2024年度以降の国際的・国内的研究活動に繋げるサイクルを適切に運営できていると考える。 他方で、課題となるのは、まず国際情勢および円安等の理由から、航空運賃の高騰やサーベイ費用が高騰し、研究計画を若干修正することになった点である。この点については、他の研究費の獲得など代替策を進めて、可能な限り研究計画に沿った進行となるように努めてきた。また、査読誌への成果公表については、日本の学会誌には掲載されたものの、国際誌ではR&Rや掲載拒否にとどまっている段階である。この点についても、共著者と投稿戦略を練り直して、成果公表に繋げるように調整しながら進めている。 関連して、政党政治に関する一般向けのテキストや単著の執筆、および若手研究セミナーの実施など、社会還元にも取り組んできて、一定の成果を挙げてきた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画3年目にあたる2024年度については、最終成果の取りまとめを視野に入れた分析の実施、頑健性の確保、論文執筆、成果公表計画を調整しながら進めていくことを課題として取り組む。 2年目までの研究蓄積および中間成果好評に対するコメントを活かしながら、関連の多数国間比較の論文などの修正・再投稿および新論文の執筆を行う。その成果を2024年度の国際・国内の学会報告および論文やポスターとして発表し、最終成果につなげる。具体的には、国際学会としては、7月のCES(Council for European Studies)、8月のECPR(European Consortium for Political Research)、9月のAPSA(American Political Science Association)、および10月の日本政治学会にプロポーザルが採択されたので、報告することになっている(このうちCESは職務上の事情等から辞退した)。 合わせて、データや資料収集作業も並行して進めていく。さらに、イタリア政党政治やヨーロッパ政治に関する投稿論文および関連論文、著書の執筆を通じて、社会に成果を公表しながら、最終年度のとりまとめに備える。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度後半は家庭の事情から海外出張を行うことが出来ず、想定していた調査・国際学会報告等が出来なかった。その分の成果報告を2024年度に回すために、アメリカ政治学会等での国際学会報告のために、次年度使用を行うことにした。
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