研究課題/領域番号 |
22K01329
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 高宏 金沢大学, 法学系, 准教授 (60377372)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ふるさと納税 / 意識調査 / 政治意識 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の有権者の抱く自身と政府との関係についての選好を,ふるさと納税を題材にし「節税」という観点から,税と公共サービスとの対応関係を鍵として明らかにするものである。本研究の主たる特徴は、サーベイ実験に基づき、ふるさと納税をはじめとする寄付と、「新しい公共」の構想においてそれらの対となる行政サービスとに対する人々の意識を分析する点にある(交付申請書)。 初年度は、研究環境を整えつつ意識調査を実施した。 25問・1800サンプルで設計した意識調査を「政治・社会に関する意識調査」として研究初年度の2022年1月に18歳以上の全国の有権者男女を対象にインターネット調査会社にて調査を配信し、2100程度の回答を得ている(データクリーニング前)。当該調査は回答者のデモグラフィや政治や社会に対する回答者の考えなどに加え、ふるさと納税によって居住自治体への納税を回避することについての社会的望ましさバイアス(SDB)の有無を検証するための実験項目などを含んでおり、「節税」という観点から自身と政府との関係をみる本研究の目的に資する。また、回答者の納税についての気持ちの上での納得の程度が、何らかの刺激(たとえば、納税は義務であると定められている、などと示すことによる)によって異なるかどうかをみる実験項目も含んでおり、このような項目も、人びとの納税意識を知る上で有効である。総じて、この調査は申請研究期間初年度実施の調査として、今後の布石のために十分な内容であったと考えている。この調査の精査・分析により今後の調査はじめ研究の精緻化を行うことができる。 後述の通り、申請2年度はこの意識調査を精査の上、論文を執筆・投稿の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、プリテストを初年度(2022年度)7月までに実施した上で実験1(税と行政サービスとの関連の理解を推定するフレーム実験)を2022年度中に実施する予定であったところ、プリテストなく実験1を実施した。プリテストを見送ったのは、実施時期として考えていた7月に元首相の銃撃事件や宗教団体をめぐる騒動など、社会情勢が浮足立っていたためである。なお、実験1は予定通り実施しており、研究進行の大きな支障とはならないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
概ね当初の計画に沿って進める。研究計画上は次回の調査として2023年度のサーベイ実験(プリテスト)が予定されているが、2022年度に引き続き社会情勢の変動と政治行政の対応の影響による変化もあり得る。本研究は単に納税意識のみをみるわけではなく、税と公共サービスとの対応関係を鍵として人びとの意識を明らかにするものであり、社会情勢の急激な変動には十分な配慮が必要であると考えている。 申請初年度の執行額が当初の想定よりも低く抑えられたため、後述の通り、その差分も活かしながら必要に応じて新たな(当初の研究計画にない)調査を行うことにより本研究の精度を高めることも可能であると考えている(未定)。
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次年度使用額が生じた理由 |
先述の通り、社会情勢を鑑みてプリテストを実施しなかったことが主因である。あくまでも未定であるが、初年度の本調査の精査を通し、必要に応じて新たな(当初の研究計画にない)調査を行うことにより本研究の精度を高めることも検討している。
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