研究課題/領域番号 |
22K01336
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
笹岡 伸矢 駿河台大学, 法学部, 講師 (70409431)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 女性参政権 / 民主化 / 議会 / 体制変動 / 戦争 |
研究実績の概要 |
「どのような条件で女性参政権は認められるのか」を明らかにする本研究だが、初年度である2022年度は、当初の予定における「課題1」「課題2」については、日英米仏の比較によって、上院(日本では貴族院)の重要性を指摘することができた。さらに、日本の女性参政権の不成立の要因分析についても取り組み、なぜ女性たちが女性参政権(婦選)を主張しながら戦争協力に進んでしまったのかのメカニズムについても議論することができた。また「課題3」においては、予備分析として、先行研究で重視されている諸変数について、計量分析をおこない、どの変数が重要であるのかを確認した。 今後については、当初の予定を一部変更し、戦争と体制変動が女性参政権成立に影響を与えたことの重要性を指摘していきたい。その理由としては、議会と政党の存在は、第1次世界大戦後、体制変動を経験しなかった国において重要であることが分かったが、第1次世界大戦と第2次世界大戦において体制変動し、既存の議会制度や政党が崩壊していくなかでは、異なる変数を見つけ出すことが必要であると考えたからである。 そのなかで、第2次大戦を経て体制変動を経験し、その過程で女性参政権が認められたイタリアの事例も扱うこととした。そのため、同国の研究で名高い研究者へのヒアリングおよび研究へのコメントをもらうことができ、今後の研究の弾みとなった。 今年度は4本の論文を作成したが、掲載できたのは2本であった。残り2本は査読が通らなかったが、別の雑誌への投稿を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定を一部変更はしたが、これは研究を進めるなかでさらに重要な変数を指摘すべきだという認識に至ったので、積極的な変更であった。現時点で、論文も4本作成(刊行は2本)できたことから、順調に進んでいると考えている。 本研究はおおむね1次資料に依拠するものではないため、2次資料と専門家からの情報収集が重要であり、その両方は順調に行うことができた。図書や雑誌論文の収集は時間がかかる面もあるが、漏れのないように資料を収集することを心掛けた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、第2次大戦後に体制変動を経験し、女性参政権が認められた日仏伊における成立のメカニズムを明らかにすることを第一の目標とする。そして、同様に、第1次世界大戦後の体制変動のさなかに認められた独露についても研究を進めていく。この2つの研究(5か国)の比較によって、戦争およびその後の体制変動がもたらした効果の類似点と相違点を明らかにすることを目指す。 さらに、2024年度にかけてはそれら事例からゲーム理論などを用いてモデルを作成し、重要な変数を特定するために、計量分析をおこなう。 今後必要なことは、ゲーム理論や統計分析の技術の洗練化と、外国語を含む雑誌への投稿と採択の技術の習得であると考えており、適宜、レクチャーをいただける人へのアクセスを試みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していたよりも物品費を安く抑えることができたため未使用額が発生したが、引き続き、次年度以降も物品購入に使用する。
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