研究課題/領域番号 |
22K01365
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
杉山 知子 愛知学院大学, 総合政策学部, 教授 (90349324)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 冷戦期 / ラテンアメリカ / 米州機構 / 米州人権委員会 / 人権侵害 / チリ / アルゼンチン |
研究実績の概要 |
2023年度の研究実績については、以下が主要なものである。 第1に、米州人権委員会個別訪問報告書をもとに、1974年7月から8月にかけて米州人権員会が実施したチリの人権状況把握の活動とその影響及びチリ政府の対応について検討し、その考察については、愛知学院大学総合政策学会『総合政策研究』第26巻1号に「資料:チリにおける1973年9月11日クーデタ後の人権状況と米州人権委員会による記録:1974年7月22日から8月2日の米州人権委員会による現地調査について」として記している。 第2に、チリの軍事クーデタ当時の米州関係、米州人権委員会における1974年のチリ訪問後のチリ政府の対応、その後の米州人権委員会の活動の質的変化、国連でのチリの人権状況に関する人権委員会と米州人権委員会との連携などについて1次資料、2次資料を検討した。 第3に研究実績の社会的還元として、2024年3月1日、女性人権機構主催のオンライン会議「女性が変える世界の政治~『ジェンダー・クオータにおける新しい政治~効果と検証』の出版を記念して~」において、アルゼンチンの事例を紹介し、米州地域における米州人権システムの特徴に言及した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に引き続き、2023年度においても、米州人権委員会の活動について、米州人権委員会チリの人権状況に関する報告書を踏まえ、1974年の米州人権委員会のチリ訪問とその後の活動・効果を中心に検討した。同時に、米州人権委員会が国連経済社会理事会人権委員会とどのように連携しあっているのかという問題意識のもと、国連の資料について、調査、検討した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も2023年度と同様、現地施設の訪問などは実施せず、1次資料、2次資料を中心とし研究を継続する予定である。特に、1980年代から1990年代にかけて冷戦終結及び民主化の高まりといった国際環境の変化の影響を受け、国際社会や米州地域において、人権をめぐる規範がどのように形成されていったのか、米州人権委員会の活動が量的、質的な変化がみられるようになったのかといった観点から研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に計画していた現地調査による旅費支出がなく、次年度使用額が生じた。今年度については、2023年度同様、インターネット等を通じ米州人権委員会や国連の1次資料及び2次資料にアクセスし、研究を進めていきたい。
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