研究課題/領域番号 |
22K01371
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 安信 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), その他(招聘研究員) (90313981)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ミャンマー / 難民 / ネットワーク / ガバナンス / SDGs / 人間の安全保障 / ビジネスと人権 / CSR |
研究実績の概要 |
本研究は、2018年の難民に関する国連グローバルコンパクト(GCR)で呼びかけられた、グローバルアカデミックネットワークを背景に、ミャンマー難民を中心にアジアでの難民保護のための、企業などの民間セクターと、大学などの市民社会が、全社会的アプローチとしてマルチステークホールダーによる補完的な連携の課題を特定し、その解決方法を模索し、SDGsの理念である、誰も取り残されない持続可能な社会構築の可能性を展望した。「人間の安全保障」のためのネットワークガバナンスを東アジアのコンテキストで、「正義へのアクセス」の観点から実証的に研究した成果を基に、これを昨今のミャンマーでの民主化をめぐる政治動乱と人道危機から新たに発生する難民などの保護のための国際的な枠組発展を検証した。
中国の国家資本主義の拡大膨張と、米英欧州の自由民主主義のポピュリズムの台頭による分断が進む反面、COVID-19のパンデミックという人類共通の脅威に人々が翻弄される昨今、新たな資本主義と世界秩序が求められてい る。この新状態において、日本が歴史的にも経済的にも重要なミャンマーがこの新冷戦とも言われる価値対立を背景とする覇権争いのギャップに陥り、アジアの人間の安全保障が脅かされ、持続可能も脅かされている。この状況を打開するために、GCRに基づく、国家と非国家主体である市民社会、企業社会との補完関係を軸にしたネットワークによる難民の保護とエンパワーメントの方法論を探究した。
国際法、国内法のハードローに加えて、企業の社会的責任(CSR)や国連人権理事会の「ビジネスと人権」指導原則、OECD多国籍企業ガイドライン、国連の持続可能な開発目標(SDGs)、難民及び移民に関する各々の国連グローバルコンパクト等の法的拘束力はないが、柔軟で実践的なソフトローの相互補完による実効的な救済方法を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新型コロナのパンデミックが収まりつつあるなか、海外出張も少しづつできるようになり、当初懸念されていた以上に比較的自由にタイ国境のミャンマー難民への聞き取り調査などが行えた。バンコクやチェンマイにおける大学の協力や連携が模索され、研究パートナーとしてのネットワークや、現地のNGOの協力、ミャンマーコミュニティの協力が得られて、米国の研究者なども参加して国際シンポジウムなども開催できた。
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今後の研究の推進方策 |
9月に予定されているケンブリッジ大学での経済犯罪シンポジウムに参加して研究の途中報告をするとともに、新たな知見を得て、本研究のグローバル展開の可能性を探る。12月にはフィリピンで開催されるアジアプロボノ会議に参加して、アジアのビジネスロイヤーやNGOとのネットワークにおいて、研究成果を報告し、事例研究を学ぶことで、新たな研究テーマを模索しながら、難民の教育のためのアジアにおける学術を含めてマルチステークホールダーのネットワークを推進して、難民のエンパワーメントのための持続可能なプラットフォームを構築することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費が新型コロナの蔓延のために2年繰り越されたため、これを消化することが優先されたことで、本研究費を次年度に繰り越すことにした。
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