研究課題/領域番号 |
22K01393
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
中村 英樹 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00272097)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Suitability for tasks / automation / Job mismatch |
研究実績の概要 |
同じ能力(ミドルスキルに注目)を持つ労働者に対して、仕事に対する得手不得手を考える。得手不得手の数は同じだが、それらの分布は個人により異なる。機械化が起こる前の個人失業率は労働者間で同じだが、機械化により、によりそれら個人失業確率が上がる労働者と下がる労働者が現れる。結果、この分布は超幾何分布で描き出される。この分布の平均は機械化前と異ならないが分散が生じ、個人失業率が上昇する労働者がより多くジョブサーチを続けることから、ミドルスキルの労働者はロースキルの仕事により流れることを示す。 この研究により、ミドルスキルの機械化は過少雇用(underemployment)を生み出すことをしめした。なお、この論文は、Hideki Nakamura(2022) "Dificculties in Finding Middle-Skilled Jobs"としてMacroeconomic Dynamicsに採択された。
さらに、低能力の労働者(得手の仕事が少なく不得手が多い)に注目し、機械化により、これら労働者の再就職はより困難になることを示す。新しく創出された仕事は、これら労働者の就職を必ずしも容易にするわけではないことを示し、政策含意を考える。この論文は、現在ジャーナルに投稿しており、レフリーコメントのもと改訂し、再投稿している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Macroeconomic Dynamicsに1本採択となった。そして、現在、別ジャーナルに別論文を投稿しており、revision encouragedのもと、改訂し近く再投稿する。
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今後の研究の推進方策 |
機械化への期待が教育選択をとおして労働市場にどう影響を及ぼすか、さらに、その結果、機械化の選択にどうフィードバックされるかを考える。そして、機械化の期待の自己実現、さらに、複数均衡が起こりえることを示す。
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