研究課題/領域番号 |
22K01440
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
七條 達弘 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40305660)
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研究分担者 |
三谷 羊平 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70647172)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 気候変動 / コミットメント |
研究実績の概要 |
本研究は、気候変動に対する適切な対策が必要であるが国際的な中央政府が存在せずグローバルな公共財供給が困難であるという現状を前提に新しい気候変動対策制度の可能性を分析した。この研究では、社会的ジレンマ環境で、中央政府が存在しないという従来から指摘されている問題だけではなく、(i)政権の入れ替わりがあるため国の政策決定者の割引因子が極端に低い場合があることや、(ii)排出量削減努力の環境改善効果がすぐには現れず、割引因子が極端に低い意思決定者に排出削減を行わせることが困難となる、という問題を追加的に取り扱った。 そして、本研究が提案する新しい制度の下では、一定の条件が満たされる場合には、政策決定者の割引因子がどんな値であっても、制度で決められた契約が遵守され全員が参加し、目標とする状態が実現する均衡がある事を示した。先行研究の多くの制度は、割引因子が低い場合に目標を達成できなかったことに比べ、本研究の提案する制度は、割引因子が低くても良い性能を発揮できる特徴がある。また、この結果を得るためのパラメータ範囲は広く、例えば、1期間の環境改善による利得の増分が、1期間の貢献コストの増分よりも1桁小さい場合でも、成立することを示した。全体的に、先行研究の制度よりも広い範囲で有効であり、先行研究の制度に比べて優位性があることを示した。 その成果は、SEEPSのワークショップおよび気候変動セミナーで報告した。また、その成果は、ディスカッションペーパーにまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論研究を進め、ワークショップおよびセミナーで報告をした。また、ワーキングペーパーを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の始めに学会報告を予定している。また、論文を完成して学術論文として投稿する予定である。実験準備も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に実験を行わなかったために次年度使用額が生じた。本研究における実験は複数年度で実施する事になる予定であったが、新型コロナの影響が2023年度末まで大きくある一方で、2024年度途中からは影響が大幅に減る事が予想されるようになった。新型コロナの影響が大きい時期と影響が大幅に少ない時期のデータが混じる事が実験データに歪みを生じさせる可能性があるため実験を実施しない方が得策であると考えた。
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