研究課題/領域番号 |
22K01466
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
丹野 忠晋 拓殖大学, 政経学部, 教授 (40282933)
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研究分担者 |
矢崎 敬人 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (10345150)
増原 宏明 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (10419153)
山田 玲良 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (50364203)
櫻井 秀彦 北海道科学大学, 薬学部, 教授 (70326560)
林 行成 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (90389122)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | イノベーション / 医療IT / 競争 / 経済厚生 / ジェネリック医薬品 / 安定供給 |
研究実績の概要 |
本研究課題「イノベーションの創出と普及に関する競争と保護の関係の解明」の初年度(2022年度)の実績は質・量ともに満足のいくものであった.医療ITのイノベーションが普及しない理由を実証的に解明した.地域連携医療情報ネットワークの停滞要因を横浜市のデータや北海道の事例で明らかにした.イノベーションと厚生の関係に競争がどのような役割を果たすかを非イノベーター企業数の増加として捉える研究を行なった.企業数が増加して競争が激しくなるときに経済厚生が増加する簡明な条件を導出した.イノベーションの普及としてジェネリック医薬品の安定供給に関する実証研究を遂行して,医療機関の調達戦略がどのようにその安定供給に寄与するかを特定した. 現代的な課題への取り組みとしてCOVID-19パンデミックに際しての日本の医療供給体制の特徴を明らかにした.日本の現状を踏まえるとルールに基づく感染症対策が有効であることが示唆できた. イノベーションとその普及を他者への別払いと捉えて,その先手と後手の優位を明らかにした.ある種の別払いゲームでは後手の不利益が存在することをゲーム理論的に証明した.イノベーションジレンマが存在する状況で,新規事業の開始のための投資が既存事業規模によってどのように影響を受けるかを研究した. 近年の新しいイノベーションである望むだけ支払う方式あるいはPWYW(Pay what you want)方式の研究を実施して,その導入が店舗にどのような影響を与えるかを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の第1の目的の実証面に関する研究を遂行して査読付き専門誌にその成果を公表する事ができた.また,第1の目的の理論面に関しては研究をすすめて学会報告をすることができた.第2,3の目的に関しては各研究分担者がそれぞれの問題意識に則って研究を遂行することができた.
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今後の研究の推進方策 |
この調子でさらに研究を深めたい.今年度(2022年度)に学会発表した成果は査読付き専門誌に公表する.研究会を開けなかったので,各研究者の研究をまとめ上げることは難しかった.次年度(2023年度)は研究会を開催して共同研究としての成果を出していきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度(2022年度)は研究会を実施しなかったことが主な次年度への繰り越しが出てきた理由である.次年度(2023年度)以降に研究会を実施したり,個別の研究打ち合わせを行なう予定である.またパソコン関係の設備を低廉に購入することができた.今後は積極的にIT関係にも投資する予定である.
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