研究課題/領域番号 |
22K01472
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
岡田 敏裕 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50411773)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 日本経済の中期的成長 / 研究開発 / 内生的成長 |
研究実績の概要 |
本研究の主要な目的は中期的経済成長・変動モデルに製品開発・研究に関する企業間の異質性を組み込んだモデルを構築・推計し、それに基づいた計量・シミュレーション分析によって日本経済の中期的定量分析を行うことである。 2022年度は本研究の基礎となる日本経済の中期的な経済成長モデルの構築を試みた。構築にあたって、これまで本研究者が行ってきた中期的成長モデルに改良を加えたモデル分析をいくつか試みた。その一つである改良モデルの論文を2023年6月にスペインで行われる国際会議(XXV APPLIED ECONOMICS MEETING June 1 and 2, 2023, Toledo, Spain)に提出し、採択された。 該当する論文のタイトルは、「INTERNATIONAL R&D SPILLOVERS, INNOVATION BY LEARNING FROM ABROAD AND MEDIUM-RUN FLUCTUATIONS」である。論文のモデルは、海外からの技術伝播を組み込んだ中期的成長モデルである。モデルでは、中期的経済成長には海外からの技術伝播が大きく影響し、その伝播には国内の企業の研究・開発投資に大きく依存することを示している。つまり、海外からの技術伝播と国内の研究開発の関係と、それが国内の中期的成長に与える影響のメカニズムをモデル化しており、それは本研究において日本経済の中期的成長を明らかにするうえで重要な要素となりえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は主に理論モデルの構築を行う計画であったが、概ね順調に進んでいる。具体的には、研究開発に関する企業の異質性を組み込んだ研究開発モデルのベースモデルを構築することができた。また、そのモデルの解法とシミュレーション分析のための数値計算プログラミングも進んでいる。本研究では中期的な株価の動きの分析を行うことが大きな目的であるが、その点に関してもモデル内に上手く組み込むことができた。 現在は、異質性を含んだモデルとの比較分析のために、代表的個人バージョンのモデル構築とその数値計算プログラム作成も行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はある程度精緻化されたモデルが出来上がった段階でカリブレーション・シミュレーション分析を行う予定である。 シミュレーション分析に関してはコンピューターによる数値解析が必要であるが、本研究のモデルは非常に複雑であるため数値解析とそれを基にした分析に非常に時間がかかる。そこで、マクロ経済学や計量経済学の分野で近年使用され始めたJuliaというコンピューター言語(MITの研究者が開発した比較的新しい言語)を使用すれば時間が大幅に短縮されることが期待されるため、Juliaでの理論モデルの数値解析のプログラム・コーディングを行う予定である。 すでにJuliaによるコーデイングを始めているが、本研究のモデルに関しても、当初予定したMatlabを使用した解析と比較して、Juliaによる解析はかなりの処理スピードであることが分かった。
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次年度使用額が生じた理由 |
円安と世界的なインフレの影響で国際学会に参加するための費用が当初予定より大幅に必要となることが予想されたため前倒し請求をしたが、実際にはその費用が予想を下回ったため。 今後の使用計画としては、学会報告や必要な図書・データなどの購入のために使用する予定である。
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