研究実績の概要 |
本研究の主要な目的は製品開発・研究をベースとする中期的経済成長・変動モデルにHeterogeneous agentを組み込み、それに基づいた計量・シミュレーション分析によって日本経済の中期的定量分析を行うことである。 2023年度は引き続き本研究の基礎となる中期的な経済成長モデルの構築と、それに基づくカリブレーション・シミレーション分析を試みた。モデル構築にあたっては、これまで本研究者が行ってきた中期的成長モデルをベースに開発投資による内生的成長を組み込んだモデルを構築した。具体的には資本に内包される技術が内生的に変化する(capital embodied technological change)モデルを中期的成長モデルに組み込んだ。モデルはheterogeneous agentsを組み込んだものになっている。 また、関連するモデルの論文「International R&D spillovers, innovation by learning from abroad and medium-run fluctuations」を2023年6月にスペインで行われた国際会議(XXV Applied Economics meeting June 1and 2, 2023, Toledo, Spain)にて報告し、参加者から貴重なコメント得た。報告論文は、海外からの技術伝播が国内の中期的成長に与える影響のメカニズムをモデル化しており、それは本研究においての日本経済の資本に内包される技術に影響を与え、日本経済の中期的成長を明らかにするうえで重要な要素となりえる。
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