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2023 年度 実施状況報告書

統計的学習理論の構造推定によるデジタル市場の競争政策と社会政策のシミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 22K01485
研究機関東京経済大学

研究代表者

黒田 敏史  東京経済大学, 経済学部, 准教授 (80547274)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードサーチコスト / 消費者レビュー / メディアバイアス / 抱き合わせ / 需要関数 / オンラインコマース / 統計的学習 / 構造推定
研究実績の概要

生産者の学習行動を解明するため、携帯電話の需要関数の推定、メディア市場の需要関数の推定と需給均衡の解明、オンラインコマース市場における需給データの整備と消費者行動モデルの推定を行った。
携帯電話市場の分析では、固定ブロードバンドとモバイルデータ通信の価格プランの組み合わせに関する消費者の完全情報を仮定した消費者需要・供給行動の需給均衡モデルの推定を行った。消費者行動は一定の精度で推定ができたものの、供給行動については不十分な段階であり、供給側のモデルについてのさらなる探求が必要である。
メディア市場の分析では、過去に実施したフィールド実験データから、需要関数を推定し、生産者の供給行動の動機となる消費者需要のパターンを明らかにした。今回推定に利用したデータ期間は2016年12月の一部の期間であり、当該期間において民放と公共放送の報道内容の違いは消費者の選好と整合的であり、企業は消費者の求める傾向のある情報を報道していることを明らかにした。今後は期間を通じた供給の変化を分析することで、企業の学習行動を明らかにしたい。
オンラインコマース市場では企業が行う利潤最大化のための、価格や情報提示についての探索行動の結果が観察可能である。そこで、2023年度にオンラインコマース市場における価格・数量のデータを購入するとともに、Webスクレイピングによって取得した価格・Web掲載情報と突合し、オンラインコマースにおける消費者行動、生産者行動が共に推定可能なデータベースを整備した。今後は消費者サーチがある状況における供給側の情報提示のモデルを構築し、需給均衡モデルの推定を行いたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メディア市場の分析では、需要と供給の関係についての推定が修了している。
携帯電話市場の分析では、生産者行動の分析が不十分な段階であるが、時間のかかるデータの整備と需要推定は完了している。
オンラインコマース市場の分析では、データの収集・整備は概ね完了している。

今後の研究の推進方策

メディア市場の分析については、消費者が完全情報で近視眼的な下での需要・供給モデルの推定ができているため、研究の完成に向け、供給行動を学習行動として分析を行いたい。
携帯電話市場の分析においては需給均衡モデルを完成させ、プラン導入前に企業の取りこぼしていた利潤を特定し、それを吸収するようなプランが作れているかを明らかにしたい。
オンラインコマース市場の分析においては、消費者にサーチコストが係る状況における企業の最適化行動についての理論のサーベイを行い、モデルの構築を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

研究用ラップトップコンピュータの購入を行ったが、決済手続きに不備があったため、私費での購入となった。当該費用は本年度購入予定の数値計算用PCの購入に充てたい。
その他、本年度の国際学会での発表に論文が間に合わなかったため、本年度は国内学会のみで報告を行った。次年度の国際学会での論文報告を申し込んでおり、今後はこれまで行えなかった分の国際学会での発表を行ってゆくつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effect of the product order and the product review on the product choice2024

    • 著者名/発表者名
      黒田敏史
    • 学会等名
      SWIE2024

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公開日: 2024-12-25  

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