研究課題/領域番号 |
22K01487
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 希 愛知学院大学, 経済学部, 講師 (30838040)
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研究分担者 |
島村 靖治 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50541637)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 女性のエンパワーメント / 政策評価 / 女性自助組織活動 / インド |
研究実績の概要 |
本研究課題は、インドにおいて根強く残る家父長制度やダウリー(持参金)習慣の下で、女性の自助組織活動と全国農村雇用保障法(NREGA)による政策介入が、女性のエンパワーメントにもたらした長期的な影響について明らかにすることを目的としている。 2023年度は研究を中断した時期があったため、すでに本研究の調査対象地であるインド、アーンドラ・プラデーシュ州(AP州)で収集され手元にあるデータを用い、本研究課題に関連する分析を行った。具体的には、AP州農村部におけるダウリーの支払いの実態、ダウリーの支払額を決める要因、さらに母親の自助組織活動への参加が娘の婚姻に与えた影響について、先行研究のサーベイを行い、検証した。AP州におけるダウリーの支払いの実態に関する分析では、1961年にダウリーが法律で禁止されたにもかかわらず、AP 州の農村部ではダウリーの実践が拡大していることが確認された。またダウリーの支払額を決める要因分析では、妻の婚姻年齢が上昇すると花嫁側が花婿側に支払うダウリーの額が下がり、妻の教育水準が上昇するとダウリーの額が上がることが確認された。さらに夫の生家が土地を有しているとダウリーの額が上がることが確認された。次に母親が自助組織活動に参加したことが娘の婚姻に与えた影響に関する分析では、家計レベルで自助組織に参加していたことにより14歳から30歳の女性の婚姻を遅らせる効果があったことが確認された。これらの結果は国内学会において報告を行い、先生方から助言をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は既存のデータからダウリーの支払いの実態、ダウリーの支払額を決める要因を分析し、さらに母親の自助組織活動への参加が娘の婚姻に与えた影響を明らかにし、国内学会において研究成果の報告を行った。しかしながら、研究を中断した時期があったため、2023年度に予定していた家計調査を実施することができなかった。2024年度に家計調査を実施する方向で、現在準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は研究を中断した期間があったため、2024年度は2023年度に予定していた計画を実施し、自助組織活動やNREGAなどの政策介入が、女性やその子供達にもたらした長期的な影響を明らかにしていく。この研究計画を遂行するために、インド、アーンドラ・プラデーシュ州農村部において2023年度に実施できなかった家計調査を実施し、収集したデータをクリーニングし、分析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は研究を中断した期間があったため、予定していた現地調査を実施することができなかった。これにより現地調査に関連する予算を執行することができなかった。研究を中断したことにより科学研究費助成事業補助事業期間を1年延長したため、全体の研究計画を1年遅らせ、2023年度実施予定だった現地調査は2024年度に実施する予定である。
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