研究課題/領域番号 |
22K01491
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
栗田 匡相 関西学院大学, 経済学部, 教授 (60507896)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ピア効果 / 認知能力 / 非認知能力 / 社会実験 / ラオス / インドネシア / モロッコ |
研究実績の概要 |
本研究では途上国・中進国が置かれた現状と開発政策現場からの実践的要請を踏まえ包括的、中長期的なスパンから、従業員の能力開発とMSEsの生産性の関係性を多国間比較研究によって明らかにする。より具体的には、インドネシアで効果を立証した従業員の認知・非認知能力改善施策である教科書・テキスト配布介入を多国間で実施し、政策効果を検証する。更には、その介入実験に改善を加え、プログラム参加者が相互に影響、刺激し合いその生産性を高めるピア効果・ネットワーク効果の変化を中長期的に把握し、従業員の能力改善、ひいては企業の生産性改善がどのような相互効果によって達成しうるのかを構造的に明らかにする。当初は研究の対象国としてはラオス、インドネシア、エチオピア、マダガスカルなどで実験、調査を行う予定であった。このうち、ラオスにおいては200名程度のラオス人労働者に認知能力改善のための社会実験に参加してもらい、認知能力のみならず非認知能力についても詳細なデータを収集することに成功した。 また政情不安などの点で調査研究が困難な状況にあるエチオピアを調査対象国から外し、その代わりに南アフリカ、モロッコの2カ国で実験、調査を行う方針である。このため、2022年度中に両国を訪問し、実験、調査を行うためのプレ調査や関係各所との打ち合わせなどを精力的に行った。その結果、南アフリカ、モロッコの両国においてもエチオピアで行う予定であった社会実験を実施することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では2022年度は、2023年度以降に行う社会実験のための予備調査期間であったが、既にラオスでの実験は終了し、残りの国々における予備調査も無事に終了した。こうした状況から、研究は概ね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象国となる5カ国のうち、ラオスは既に実験が終了し、データの整理もほぼ終了しているので2023年度中に学会報告、論文執筆などを進めていきたい。それ以外のモロッコ、南アフリカ、インドネシアについては、予定通り、2023年度、2024年度において社会実験を実施していく予定である。
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