研究課題/領域番号 |
22K01496
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
久保庭 眞彰 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (70111698)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ロシア / 資源依存経済 / 石油・ガス / 脱炭素経済 / 産業連関表 / EU-ロシア経済連関 |
研究実績の概要 |
本研究では,ロシアの資源依存経済構造の形成と変容のプロセスを歴史的・統計的に明らかにする. 2022年度では,帝政期,ソ連期,現代における石油(原油・精油)と天然ガスの生産と貿易を歴史的系列として推計・編成することを試みた.1970年代オイルショックによる油価高騰からの交易利得急増,それらに伴う1960年代コスイギン経済改革(市場経済化)構想の大幅な後退と軍拡を資料により跡付けるよう努めた.現代ロシアでは,2000年代の持続的油価高騰という状況による相対的高成長・好景気(製造業生産興隆を含む)の実現の実態を時系列分析と産業構造分析によって解明した.2014年以降のクリミア領有に対する欧米経済制裁のもとでの成長停滞,COVID-19とウクライナ侵攻による成長急減と回復過程も国際比較研究する.さらに,脱炭素化とEUのロシア資源回避をにらんだ中長期分析では,想定しうる可能なシナリオを模索した.特にEUの脱炭素化と,ウクライナ戦争後のロシア資源脱却を考慮したロシア経済の脱炭素経済への移行を考察対象とした.また,ロシア政府の森林吸収による脱炭素化政策、EUのロシア産ガス代替政策と脱炭素化政策について,米国の学会において中間結果として国際発信し,議論を深めることを試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年2月にロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、その影響はロシア・EUの脱炭素経済への移行にも及んでいるため、研究計画の軌道修正が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
現代ロシアについて,2000年代の持続的油価高騰という状況による相対的高成長・好景気(製造業生産興隆を含む)の実現の実態を時系列分析と産業構造分析によって解明する作業を継続する.2014年以降のクリミア領有に対する欧米経済制裁のもとでの成長停滞,COVID-19とウクライナ侵攻による成長急減と回復過程も国際比較研究の中に位置付けることを試みる.さらに,脱炭素化とEUのロシア資源回避をにらんだ中長期分析では,想定しうる可能なシナリオの模索を継続し,EUの脱炭素化と,ウクライナ戦争後のロシア資源脱却を考慮したロシア経済の脱炭素経済への移行に関する研究を推進させる.
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症のための海外渡航制約とウクライナ戦争のための現地調査制約のため、また同戦争による計画変更が生じたため次年度使用額が生じた. 生じた次年度使用額は, 2023年度において、対面での海外国際会議での研究発信の経費およびPC利用環境におけるハード面・ソフト面技術基盤の再装備に使用することを計画している.
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