研究課題/領域番号 |
22K01544
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
焼田 党 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 名誉教授 (50135290)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | sandwich caregiver / long-term care / child-rearing |
研究実績の概要 |
これまでの研究成果の紹介論文として“Elderly long-term care policy effects on sandwich caregivers’ time allocation between child-rearing and market labor: Short Communication (Clinics on Mother and Child Health 20(6))”および「高齢化社会における家庭、市場および政府の役割(『地域ケアリング(臨時増刊号)』Vol.25,No.7, 40-43頁)」を発表した。 また、中京大学経済研究所ディスカッションペーパー”Old-age support policy and fertility with strategic bequest motives (CUIE DP No.2301)”および”Old-age support policy effects on economic growth and fertility (CUIE DP No.2307)”を執筆した。前者は戦略遺産動機に基づく老年世代と現役世代の遺産と介護に関するゲームがなされる状況での公的介護政策の影響を分析したもので、本研究の中心的な問題を扱っている。この研究成果は日本応用経済学会2023年度秋季大会で報告した。後者は人的資本蓄積を考慮した利他的介護モデルにおける公的介護政策の経済成長に与える影響を分析している。いずれも介護政策を考える上で重要な問題を世代重複モデルで分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の目的である戦略的遺産動機に基づく世代重複モデルを用いた理論的分析を一歩進めることができた。ディスカッションペーパー(CUIE No.2301)での分析は、いわゆるサンドイッチ世代の長期均衡分析としてはこれまでにない新しい分析の一つであるとみなせる。ただし、老年世代すべてに供給される老後サービスを仮定してる点で、さらに発展させる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
理論モデルではあるが、より現実的なモデル設定での分析を展開する必要がある。例えば、個人の老年期健康状態はかなりばらついており、要介護となる場合もそうでない場合もありうる。また、生涯期間の不確実性も考慮すべきかもしれない。公的介護(老齢者サポート)政策が保険的な機能を持つことから、このような方向での分析の拡張を進める。
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