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2022 年度 実施状況報告書

出生率内生化モデルにおける所得の不確実性の考察

研究課題

研究課題/領域番号 22K01547
研究機関関西学院大学

研究代表者

安岡 匡也  関西学院大学, 経済学部, 教授 (90437434)

研究分担者 神野 真敏  南山大学, 経済学部, 准教授 (10533648)
伊藤 健宏  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (40364418)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード出生率 / 育児支援 / 移民
研究実績の概要

今年度は、不確実性を考慮した出生率内生化モデルを構築するための準備段階として、出生率の議論と一緒に行われる政策についての分析を行った。具体的には移民を受け入れる場合に、受入国の賃金や労働参加率にどのような影響を与えるかを考察した。考察の内容は、どのような技能を持った労働者を移民として受け入れるか、それが、受入国の高技能部門と低技能部門の賃金水準、さらにそれぞれ部門における本国民の労働者数がどう変化するかを考察した。この考察自体は先行研究でも多くなされているが、本研究では、それぞれの生産部門の生産関数の違いが、これまで得られた先行研究とどのような結果の違いをもたらすかを明らかにしたことが新しい点と言える。次年度以降に向けて、このような移民政策などいくつかの政策を含めた出生率内生化モデルを構築する予定である。
また、論文としての形ではないが、不確実性を考慮した出生率内生化モデルを分析するためのシミュレーション分析のツールを作成し、その研究報告を行った。この研究自体は既に今年度以前に取り組んでいたものであるが、今年度はそのようなシミュレーション分析を行う際のパラメータの推定としてカリブレーションを用いてより、現実的なデータに基づいたパラメータの下でシミュレーション分析をしている点がこれまで取り組んだ研究と異なっており、研究成果としての新しい部分である。
次年度は今年度に作成されたシミュレーションモデルを用いて、不確実性が存在する場合としない場合の将来の所得ショックがどのように出生率に影響を与えるのかを中心に考察する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は不確実性を分析するためのモデルを構築することを目標としていた。その目標を達成できたため、おおむね順調に進展していると回答した。

今後の研究の推進方策

今後は、シミュレーション分析で出生率内生化モデルを扱う予定である。具体的には既に構築したシミュレーション分析のための出生率内生化モデルに将来的な所得ショックを加えた考察を不確実性が存在する場合と不確実性が存在しない場合に分けて分析をしていく予定である。
また、出生率内生化モデルで不確実性を考慮した理論モデルはあまり多くない。例えば、本研究ではこれまでに世代重複モデルをベースに出生率内生化モデルを構築してきたが、ラムゼイモデルをベースにした出生率内生化モデルも構築できるし、実際、そのような先行研究は存在する。それらのモデルをベースとして、不確実性が存在するモデルにおいて社会保障給付などの存在が出生率の決定においてどのような影響を与えるのか、また、不確実性そのもの(不確実性をどのように考え、どのようにモデルに入れるか)が出生率にどのような影響を与えるのかを中心に考察していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は新型コロナウイルス拡大の影響により研究報告のための出張などがまだ完全に可能ではなく、旅費などに充てる予定であった金額を使用しなかったことが原因である。
新型コロナウイルス拡大の影響も次年度以降はあまりないと思われ、研究報告のための出張旅費についても計画的に消化できると考えられる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Demand for education investment in a model with uncertainty2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Tanaka, Masaya Yasuoka
    • 雑誌名

      Discussion Paper Series, School of Economics, Kwansei Gakuin University

      巻: 245 ページ: 1-8

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] AK type production function in DSGE model2023

    • 著者名/発表者名
      Masaya Yasuoka, Minoru Hayashida, Ryoichi Namba, Hiroyuki Ono
    • 雑誌名

      Discussion Paper Series, School of Economics, Kwansei Gakuin University

      巻: 246 ページ: 1-19

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Immigration policy in a two sector model2022

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Jinno, Masaya Yasuoka
    • 雑誌名

      Discussion Paper Series, School of Economics, Kwansei Gakuin University

      巻: 241 ページ: 1-14

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] The effects of admittingi Immigrants: a look at Japan’s school and pension systems2022

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Jinno, Masaya Yasuoka
    • 雑誌名

      MPRA Paper

      巻: 115182 ページ: 1-26

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Immigration policy in two sectors model2022

    • 著者名/発表者名
      安岡 匡也
    • 学会等名
      2022年度日本応用経済学会春季大会
  • [学会発表] Immigration policy in two sectors model2022

    • 著者名/発表者名
      安岡 匡也
    • 学会等名
      日本財政学会第79回全国大会
  • [学会発表] Demand for education investment in the model with uncertainty2022

    • 著者名/発表者名
      安岡 匡也
    • 学会等名
      2022年度日本経済学会秋季大会
  • [学会発表] 親子間における双方向の利他心が介護に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 健宏 迫 一光
    • 学会等名
      2022年度日本応用経済学会春季大会
  • [備考] 安岡匡也のページ

    • URL

      https://sites.google.com/view/myasuoka1978/home

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公開日: 2023-12-25  

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