研究課題/領域番号 |
22K01549
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長田 健 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (30612204)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 銀行行政 / 財金分離 / 地銀再編 / 銀行業のデジタル化 / 公的資金注入 / 銀行業績 |
研究実績の概要 |
本研究計画を構成する4つの研究それぞれの今年度の研究実績を下記する。 ①財金分離以降の銀行行政の変遷および銀行行政に関する先行研究の整理・考察(サーベイ論文)...先行研究の整理は始めたが、当初計画より遅れている。本研究は2年以内にサーベイ論文としてまとめ公表することを目標としている為、次年度に後れを取り戻したい。 ②-1:地銀再編に関する実証分析(実証論文①)...2022年6月に金融構造研究会(地方銀行協会後援)にて研究報告を行い、当該報告をベースに論文「コロナ後の地域金融が抱える課題(Challenges of Japanese Regional Finance After Covid-19)」を寄稿し、当該論文は2023年6月の『金融構造研究』に掲載予定である。地銀の経営効率化(経費削減)の手段と考えられている「合併」が、果たして経費削減に効果があるかについて実証分析を行った結果、その効果は確認できなかった。それに基づき、合併などの形式的な再編に頼るだけでは地方銀行の変革(経営効率化)は難しいと結論付けている。 ②-2:デジタル化に関する銀行行政と銀行業績に関する実証研究(実証研究②)...実証研究には至らなかったが、アジアにおけるデジタル化の現状に関する調査研究を行った。当該研究“Financial Digitalization and Its Implications for ASEAN+3 Regional Financial Stability”(with Shinobu Nakagawa, Satoru Yamadera and Jungwoon Lee)は2023年1月にAsian Development Bankより出版された。 ②-3:公的資金注入が長期的な銀行業績に与えた影響に関する実証研究(実証研究③)...本年度は着手しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は「①財金分離以降の銀行行政の変遷および銀行行政に関する先行研究の整理・考察(サーベイ論文)」に注力する予定だったが、「②-1:地銀再編に関する実証分析(実証論文①)」「②-2:デジタル化に関する銀行行政と銀行業績に関する実証研究(実証研究②)」に多くの時間を割いた為、研究①はやや遅れている。しかし、複数の論文公刊(査読無し)に至った為、おおむね順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は進捗が遅れている本年度は「①財金分離以降の銀行行政の変遷および銀行行政に関する先行研究の整理・考察(サーベイ論文)」に注力し、論文を完成させる予定である。この論文は残り3つの実証論文のベースにもなる為、研究の基礎固めの観点からもをしっかり取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外渡航、データ購入、備品購入を行わなかったため次年度使用額が生じた。次年度は海外渡航を通じて海外研究者と議論を重ねる予定である。
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