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2022 年度 実施状況報告書

The Effects of Money-financed Fiscal Stimulus in an Open Economy

研究課題

研究課題/領域番号 22K01557
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

岡野 衛士  名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20406713)

研究分担者 江口 允崇  駒澤大学, 経済学部, 准教授 (40600507)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード貨幣発行による財政刺激
研究実績の概要

本研究の目的は既に述べたように, ZLBに直面する (A) 小国開放経済, (B) 名目為替相場のパススルーが不完全な環境, (C) 2国経済, それぞれにおいて研究課題の核心をなす学術的「問い」で述べた(I), (II)を明らかにすることである. そこで本年度は, ZLBに直面する(A), (B)でのMF政策のインフレ率やGDPの安定化の観点からの有用性をDF政策, および金融政策のみが明示的に行われているケースとの比較により明らかにした. 有用性はカリブレーションによって得られたCPIインフレ率およびGDPの動学のボラティリティの比較をもってボラティリティがより少ない政策がより有用な政策であるという規範の下判断した. (Gali, 2020, English et al., 2017およびTsuruga and Wake, 2019は試みていないがNakajima, 2008やGali and Billi, 2020に従い2次近似された効用関数から導かれる厚生損失関数から計算される厚生損失の比較分析も試みる). 同様に, カリブレーションによって得られたマネーストック成長率の経路からCPIインフレ率およびGDPを安定化させるマネーストック成長率の経路を明らかにした. 次いで減税及び政府支出の増加の乗数効果をさまざまな価格の硬直性, 減税および政府支出の規模, および経済の開放度(あるいは輸出入のGDP比)もしくは相対的規模の下で求めて乗数効果とそれらパラメータとの関係を明らかにすることでMF政策の有用性を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は当初の予定通り(A)、(B)の分析を行うことができた。それぞれのの分析においてMF政策のインフレ率やGDPの安定化の観点からの有用性をDF政策, および金融政策のみが明示的に行われているケースとの比較により明らかにすることができた。同じく政策の有用性はカリブレーションによって得られたCPIインフレ率およびGDPの動学のボラティリティの比較をもってボラティリティがより少ない政策がより有用な政策であるという規範の下判断することができた.同様に, カリブレーションによって得られたマネーストック成長率の経路からCPIインフレ率およびGDPを安定化させるマネーストック成長率の経路を明らかにすることができた. 加えて減税及び政府支出の増加の乗数効果をさまざまな価格の硬直性, 減税および政府支出の規模, および経済の開放度(あるいは輸出入のGDP比)もしくは相対的規模の下で求めて乗数効果とそれらパラメータとの関係を明らかにすることでMF政策の有用性を明らかすることができた.これらのことは研究計画調書に記されたとおりであり、得られた結果は当初予定したとおりのものであった。

今後の研究の推進方策

本年度は(A) 小国開放経済, (B) 名目為替相場のパススルーが不完全な環境の分析を行うことができたため今後は予定通り (C) 2国経済での分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

他の研究経費に便乗することで研究できたため大幅な次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      27th RSEP International Conference on Economics, Finance & Business
    • 国際学会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      SEA 92nd Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      2022 SEM Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      日本経済学会2022年度春季大会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      日本金融学会2022年度春季大会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      日本金融学会中部部会2022年度第1回研究報告会
  • [学会発表] The Effects of A Money-financed Fiscal Stimulus in A Small Open Economy2022

    • 著者名/発表者名
      OKANO, Eiji
    • 学会等名
      日本応用経済学会2022年度春季大会

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公開日: 2023-12-25  

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