研究課題/領域番号 |
22K01647
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
川路 崇博 久留米大学, 文学部, 教授 (90554246)
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研究分担者 |
姜 理惠 法政大学, デザイン工学部, 教授 (90570052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ミドル起業家 / 女性起業家 / アントレプレナーシップ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「ミドル起業家の教育に有用な学習プロセスを解明し、検証すること」である。ミドル起業家が起業に当たりその意思決定し、実際起業するには、前職までの個人の強みを活用していることが分かっている。そこで、ミドル起業家の起業家特性について、調査を実施した。特に起業プロセスと学習プロセスについて分析を進めた。さらに女性起業家育成プログラムを通し、プログラムが終わった半年後の起業家に対して起業に対する意識変化を調査、分析した。 結果、前者についてサンプルは少ないものの、1)ビジネス経験が豊富であることとミドルエイジの起業に関係性が薄いこと、2)ビジネス経験を活かすことに加え、ビジネスではなしえなかったことへ挑戦することが起業動機となっていること、3)経済的なことだけがおもな起業の理由ではなく、利他的な理由を動機としていること、が分かった。 女性起業家に対しては、地方自治体が主宰した起業家育成プログラム参加者へ、プログラムが終了した半年後にインタビュー調査を実施し、起業家教育の中期的効果と、起業に対する意識と行動の変化について分析した。結果、参加者はプログラムで得た知見や人的ネットワークを通して起業を身近に意識するようになり、中期的に自発的な起業行動を起こし、起業家精神の醸成に影響を及ぼしていることが示された。 また、すでに行われている成人女性起業家を対象に自己効力感に関する研究を行った30の研究を分類したところ、研究内容は4つに分類することができた。その4つは、「ジェンダーと自己効力感」、「自己効力感に影響を与える要因」、「職業による調査研究」、および「国の制度や政策の影響」である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の計画では、起業済み・起業指向者・起業無指向者の3群を比較し、ミドル起業家の起業プロセス特性を探索するとしていた。起業家を育成するプログラム参加者へのインタビューとその分析では、中期的に自発的な起業行動を起こし、起業家精神の醸成に影響を及ぼすことが分かったが、起業無志向の者の特性の調査には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き令和4年度で計画していた、起業済み・起業指向者・起業無指向者の3群を比較し、ミドル起業家の起業プロセス特性を探索することとともに、ミドル起業家たちの学習プロセスモデルを探索する。 また、引き続き女性起業家育成プログラムにおいて、更なる効果性の測定をする。今後は政策上、社会上の問題とも合わせて論じるとともに、プログラムを経た女性起業家のその後の活動を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ミドルエイジに対する調査、さらに対外的な発表が不足しているため、旅費と人件費・謝金、その他(発表参加費と論文投稿料等)に充当する予定である。
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