現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Heston Modelを用いたリアルオプション価値のモデル化は終了している。本研究のモデルでは、R&Dの成功確率をハザード過程としてモデル化していているが、成功確率は観測不可能な変数であるため、何らかの推定量を用いる必要がある。本研究では、ベイズ推定量を用いて、成功確率を推定し、数値積分を用いてオプション価格の導出を試みている。成功確率のモデルパラメータを如何に設定するかが、本研究が想定するモデルが導く含意に大きな影響を与えることとなるが、Heston[1]のパラメータの設定では安定したR&D成功確率の確率分布が得られるが、R&Dへの適用を前提とした現実的なパラメータの設定において、推定される確率分布の評価に時間を有している。特に、この確率分布の評価の過程に数値積分が関与しており、その実行時間に一定の計算負荷がかかることから、モデルパラメータの検討を繰り返し行っている状況である。
[1] Heston, "A Closed-Form Solution for Options with Stochastic Volatility with Applications to Bond and Currency Options," The Review of Financial Studies, Volume 6 - 2, pp. 327-343(1993).
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